2013年5月15日水曜日

歯科医のやっていることは「治療」ではない

「虫歯ができているので治療しましょう」
というのが、歯科医の定番のセリフです。

しかし、ちょっと調べればわかりますが、「治療」というのは厳密には誤りです。
歯科医がやってくれるのは、虫歯を「削って、その穴を詰める」というだけです。

削って詰め物をした歯は、天然歯と比べると、圧倒的に虫歯に弱くなっています。
詰め物と歯の境目には必ず隙間が存在し、そこから唾液が入って詰め物の下が虫歯になりやすいです。
いわゆる二次カリエスです。

口腔内はとても過酷な環境です。
毎日の飲食で、数十キロの力が噛み合わせ面にかかります。
どんなにうまく詰めても、年月とともに、歯が削れたり、詰め物が削れたりして、歯と人工物との間に隙間ができてしまいます。

ただ、大人の虫歯の進行は非常にゆっくりしていることが多いのと、神経に届いていない虫歯は自覚症状があまり出ないから、騒ぐ人が少ないだけです。知らぬが仏とはこのことです。


「治療」とは、体の免疫機能や治癒機能をうまく使って、元の健康な状態に戻すことを意味します。
インフルエンザ患者にタミフルを処方して回復させたり、骨折した骨を固定してくっつけるのが「治療」です。

病気で胃や肝臓を摘出する場合、それは「治療」ではなくて、「手術」といいます。

歯医者が虫歯を削って詰める行為は、決して元の健全な歯に戻しているわけではなく、胃や肝臓の一部を切除する行為と同じです。つまり「手術」です。とてもショッキングな行為です。

ただ単に、胃や肝臓ほどにはインパクトが無いから、ショッキングに思えないだけです。

また、虫歯を削ってもらった人は、なぜか「治った」と思う人が多く、それ以降ふつうに甘いものを以前と同じように食べたりします。

病気で胃の一部を切除されたら、その後は食事や生活習慣に気をつかいますよね? でも、歯の場合はそうでもない人が多いです。

これは、歯医者の使う「治療」という言葉のせいもあると思います。
この言葉は、まやかしです。

本当に「治療した」というのであれば、ピカピカの無傷な状態の歯に戻してくれなければなりません。
しかし、歯医者は本来そういう職業ではないので、それができません。
それができるのは(できるとすれば)、医師なのです。

よって、この世に本当に必要なのは、歯を再生する技術、あるいは、それが難しければ、歯を修復する技術です。削って詰めるだけの場当たり的な対処療法は、本当は好ましくありません。

しかし、日本における更なる問題は、この「削って詰める」ということすら、まともにできない歯科医が多すぎるということです。