2013年7月27日土曜日

「ちゃんと磨かないから虫歯になる」 という訳ではない

小さいころ、子供に虫歯ができると、親がよく言っていました。

「ちゃんと磨かなかったからだ」 と。


しかし、これは真実ではないです。


幼少期の虫歯というのは、大半が不適切な食生活とオーラルケアによるものです。

リスクファクターとしては、影響度が大きそうな順に、


  1. 砂糖の摂取が頻繁
  2. フッ化物を使っていない
  3. 歯垢が残りすぎ
  4. 歯科医院に定期的に通わせていない

そもそも、多少の磨き残しがあっても、砂糖の摂取量と頻度が低く、フッ化物を利用しているなら、虫歯のリスクはかなり減ります。


(1)砂糖の摂取が頻繁
これが最も大きなファクターと思われます。
なぜなら、他の要素が満たされていない国(発展途上国など)でも、砂糖の摂取量がほぼ0の国では、子供に虫歯はできないからです。

親が意味不明に子供に砂糖を与えまくるのは、ほとんど虐待です。
子供の味覚は発展途上のため敏感で、甘いものを覚えると、どんどん甘味中毒になっていきます。
3食をきっちり与え、余計な甘いものを幼いうちから与えないのが、一番健康な状態に近いです。
味覚の基礎が完成した後、5,6歳になってはじめて菓子を食べても、さほど砂糖のヘビーユーザーにはなりません。

清涼飲料水やジュース(果汁100%であっても)、ケチャップ、ソース等にも大量の砂糖が入っているので、特に注意が必要です。
どうしても甘いものを与えたいなら、イモ類や果物などの天然甘味を与える程度で充分です。

おやつが必要であれば、おにぎりやキシリトールガム、スティック人参、チーズなどにしましょう。


(2) フッ化物を使っていない
子供の歯は乳歯でも永久歯でもエナメル質が大変柔らかく、酸の浸食を受けやすいようになっています。この状態のときにフッ化物を使うと、歯のエナメル質が変質し、強靭になります。よって、先進国ではほとんど必須の方法で、日本でも最近は自然に実施することができるようになりました(歯磨き剤の多くにフッ化物が含まれており、また、小学校などでフッ化物洗口をするところも多くなってきたため)。

しかし、フッ化物の入っていない歯磨き粉を使ったり、ジェルや洗口液を使っていない家庭では、子供のう蝕リスクは高くならざるを得ません。


(3) 歯垢が残りすぎ
・親が仕上げ磨きをしていない
・フロスを使っていない
ことによって起こります。

「ちゃんと磨かなかったからだ」という親は多いのですが、そういう親に限って、フロスを使っていません(というより、使うという習慣が無い)。

歯ブラシだけで落とせるのは、歯垢の50%~60%程度です。フロスや糸ようじを使わなければ、歯間の歯垢は永く残ります。


(4) 歯科医院に定期的に通わせていない
いまだに、「歯医者は、虫歯が見つかってから行くもの」 という考えの日本人は多いです。
しかし、「虫歯を作らない」ために歯医者に行くのが本来の理想なので、子供は3か月~6か月くらいのスパンで、定期的に歯科医院に通わせるべきです。

歯石などをクリーニングしてもらうことと、「きちんと歯垢はとれているか?」をチェックして、虫歯の予防をしてもらうことが主なメニューです。

親切な歯医者であれば、それに加えて、食事指導などもしてくれることでしょう。

ただし!
虫歯が見つかったり、歯並びが悪いから矯正が必要だと言われたりしても、すぐに対処してはいけません。

歯を削るにしても、矯正にしても、子供の一生を左右することなので、じっくり考え、セカンドオピニオンをもらいに別のところに行ったり、書籍を読んだりして、決めましょう。

その場合、たとえば、
「現状維持のまま様子を見る」 という結論が出たとしでも、納得しているならOKです。
歯医者が無理強いするようなら、もうそこの歯医者にはいかないという方法もとれます。

歯は一生ものです。一度手を加えると、元には戻りません。
削る、抜く、という行為は、できるだけ避けましょう。

子供の歯が悪くなるのは親の責任

子供の歯が虫歯になったり、歯並びが悪くなったりするのは親の責任です。
なぜなら、歯の健康状態の悪化は、それ相応の生活習慣と予防不足に起因するからです。

子供は歯に関する知識が無いので、親が監督しなければなりません。
子供を虫歯や悪い歯並びにすることは、その後の子供の苦労を考えると、虐待とすら言えます。

よくあるパターンを以下にまとめます。


● 2歳~3歳の間に、虫歯菌が感染しやすい環境で育てている

  • 親が口に含んだものを子供に与えている
  • 子供にキスする習慣がある
  • 親が使った食器(箸など)で子供に食事を与えている
  • 親が熱いものに息をかけて冷ましてから子供に与えている(唾液飛沫により感染)
  • 祖父母や保育園などに預けている(家庭外では、何をされるかわからず、食事時に感染するリスクが高い)
  • 親に虫歯が多い(子供が生まれたら、虫歯治療はしておきましょう)


●食事の内容と頻度が不適切

  • 砂糖や味の濃いものを与える(子供が甘いものに過剰な欲求を示す/歯の脱灰を急進させる)
  • 1日3食を守っていない/菓子やジュースをダラダラと頻繁に与える
  • 柔らかい食事中心(歯と顎が発達せず、歯並びが悪くなる。虫歯や歯周病になりやすい)
  • 親の不在時に、祖父母などが食事や菓子を与える
  • 牛乳や清涼飲料水を常飲している


●虫歯対策をしていない

  • フッ素入りの歯磨き剤や洗口液を使用していない(生え始めの乳歯や永久歯はフッ素が特に重要)
  • デンタルフロスを使っていない
  • 親が仕上げ磨きをしていない(10歳くらいまでは必要と言われています)
  • キシリトールガムやタブレットなどの補助食品を使っていない


●歯を歪ませる癖を矯正していない

  • 子供が枕に対して横向きに寝ている(頬と顎の形状が非対称になりやすい)
  • 頬づえ、足組み、片側噛みなどをしている
  • テレビを横目で見ながら食事をしている(咀嚼時に、顔が横向きになっていると正常に骨が発達しない)



こんな感じでしょうか。

特に、祖父母の家に預けるときは要注意です。

どんなに言い含めても、おじいちゃんおばあちゃんというのは、食事時に大人の唾液が触れた食器で食事を与えたり(ひどいときは、噛み与えをしたり)します。また、勝手に菓子を買い与えたりもします(「お母さんには内緒ね」とか言いながら)。

保育園も要注意です。食器の使い回しや、飛沫感染、おやつ等、リスクは多いです。

共働きなど、家庭の事情がある場合は仕方ないですが、できれば3歳までは、子供は家で育ててあげたほうが歯にとっては良いと思われます。それが難しい場合は、虫歯菌に感染することは妥協して、歯の清掃やフッ化物の利用などで、虫歯対策を徹底すべきでしょう。

2013年7月19日金曜日

歯医者は悪魔

虫歯になると、歯医者に行きます。
そこで患部を削って、詰め物でフタをします。

それを、彼らは「治療」といいます。

しかし、「治療」とは、「治癒」ではなく、せいぜい「補修」といったところです。

その致命的な欠点は、詰めた歯はその隙間からまた虫歯になる(なりやすい)ということです。

なので、

削る → 詰める → また虫歯になって削る → 詰める


ということを時とともに繰り返すことになりやすいです。

歯は削ると、それだけ脆くなり、平均的には3回目には神経を抜き、4回目には抜歯、ということになります。


補修後に、きちんと歯磨きするようにすればいいんでない?
というのは、誤解です。

詰め物の大半は、歯との継ぎ目に、隙間ができます。
そこから細菌と食物残渣が入り込み、虫歯が再発します。


二度と虫歯が再発しない方法は無いの?
という疑問は当然ですが、そういう風に「治療」してくれる歯医者はスズメの涙ほどしか居ません。

「二度と再発しないような丈夫な方法で治療してくれ」
と依頼すると、
「そんなの無理」
と言われます。

「じゃあ、何年くらいもつの?」
と聞くと、
「個人差があるからわからない」
と言われます。

「個人差はわかったから、平均的、一般的に言って、何年くらい?」
と聞くと、
「わからない」
と言われます。

「じゃあ、二次虫歯になったかどうか、どうやって判断するの?」
と聞くと、
「総合的に判断する」
と言い、具体的な方法については口を閉ざします。

「具体的には? レントゲンでわかるの? 目で見てわかるの?」
と聞くと、
「レントゲンや、年数や詰め物の欠け具合で総合的に」
と言うだけです。

ひどいのになると、パノラマレントゲンを1枚撮っただけで、そこに映っていないからといって、「虫歯なし。健康健康。歯磨き頑張ってね~~」と言う歯医者も居ました。(そして後日、隣接面やインレー下の深い虫歯が発覚・・・)

歯科医とは、このように、大変いい加減で無責任なものです。


削った歯は、虫歯の再発という点で、非常にリスクが高くなることは間違いありません。
が、あれだけ林立していながら、まともに虫歯を発見して削って詰めてくれる人は一握りも居ないと思われます。

歯医者とは、悪魔です。

  • 定期健診に通っていたのに、虫歯を発見できず、見つかったときには既に末期。
  • 小さな虫歯を大きく削り、「ああ、もうこれはダメだね」と言って抜髄する。
  • 不必要な歯まで虫歯だと言って削る。
  • 噛み合わせ調整と称して前歯を削る。

といった行為を「歯科医療行為」と称して平然と行います。

まともな歯医者に当たる可能性が低いことを考えると、虫歯を作ってしまうリスクは相当なものだと自覚せねばなりません。ガンや糖尿病と同じくらい、予防が大事な病気なのです。

だから、歯科医院には、クリーニングの時以外は、決して近づいてはいけないのです。

これはすなわち、一生自分の歯でかみたいなら、虫歯は1本も作ってはいけないということです。
入口から封鎖しなければ、歯は守れません。



ただ、このアドバイスは、すでに虫歯を作ってしまった多くの人には無意味なものです。
私も含め、そういう人がいつか報われる日が来ることを、心から願っています。
歯の再生医療が速く進むといいなぁ・・・。

2013年7月18日木曜日

アメリカでの一般的な歯の状態

http://www.kitadds.com/concept/cavity-prevention/%E4%BA%88%E9%98%B2%E3%81%AE%E9%87%8D%E8%A6%81%E6%80%A7/

に、アメリカ人の一般的な歯の状態が3例、掲載されています。
綺麗ですねぇ・・・。




この歯科医さんは、
基本的に歯の構造を変えて、虫歯に成りにくくする。そんな事が実は現在の技術で可能なのです。(ただフッ素を表面に塗るだけではないですよ。)
と書かれていますが、おそらく、私の予想では、
①低濃度のフッ化物を日常的に口に入れている
②硬水を日常的に口に入れている

の2つが日本との違いでしょう。

①は水道水によるうがい、②は飲み水ですね。

①はよく言われていますが、②も以外に重要なのではないかと最近ネットを見てて思います。海外の水って、基本的にカルシウム、マグネシウムなどが含まれた硬水で、歯に良さげです。

あとは、これらの物質への暴露を、幼少期から自然に開始していることが重要なんでしょうね。

2013年7月17日水曜日

歯科医過剰問題

Wikipediaに、「歯科医師過剰問題」という項目があります。
日本には歯科医が多すぎるという社会問題が漫然と存在しているのです。

具体的な数値として、日本全国に
コンビニは約4万件
歯科医院は約6.8万件
といった具合だそうです。

消費者側の視点でいえば、スーパーやコンビニは多ければ多いほどいいのかもしれません。便利だし、価格競争が起きて消費者の利益が増えます。

しかし、歯科医院は、多ければ多い程いいとは言えません。
なぜなら、

①質の低い歯科医が増えるから
②過当競争で追い詰められた歯科医院は、雑な施術や高額な保険外診療を行う恐れがあるから

です。


①について、歯科医が増えたということは、私立の歯科大学が過剰に卒業生を出しているというところに大きな原因があります。

Wikipediaには、「私立歯科大学定員割れ問題」という項目もあって、私立の歯科大学の数とそれぞれの大学の定員が多すぎて、結果的に歯科医が供給過剰になっているという構図があります。

歯科大学が統廃合するなり定員を減らすなりしないと、歯科医の供給過剰は続きます。1年で1200人の歯科医が誕生すればそれでいいのに、現状、2500人も誕生してしまっているそうです。

もう1つ、由々しい問題は、私立の歯科大学の偏差値がものすごく低いことです。国公立の歯学部と比べると、私立の歯科大学の大半は、偏差値が30台か40台で、中にはフリーボーダー(偏差値なし)のところもあります。一般の大学受験を経験したことがある人なら、これが著しく低い数値だということがわかるでしょう。およそ大学として成立しているかどうかも怪しい偏差値です。

端的に言うと、ものすごく頭の悪い人が歯科医候補として入学しているのです。
私大は、歯科医の国家試験の合格率が異様に低くなっていますが、さもありなんです。基本的な知識の習得や勉強に問題のある人が、試験に通りにくいのは道理です。

しかし、そんな中でも、合格した人が歯科医として輩出されて、それが現在の歯科医過剰問題を生んでいます。

歯科医院の数が多いということは、「質の低い(少なくとも、入学時には頭の悪かった)歯科医のいる歯科医院が多いということです。
そんな歯科医院が、コンビニ並みの数、存在しているのです。
安心して自分の体を預けられますか?
私には、とても無理です。





続いて、②です。

そんな、質の低そうな歯科医院が多いという事情も背景にあり、ただでさえ技能的に疑問符のつく歯科医が、過当競争で追い詰められ、雑な診療や、できもしない高額自費診療を行ったりする可能性が高まります。

具体的に考えられる点として、


【虫歯】

  • 器具をきちんと減菌しない
  • バイトウィング(レントゲン)を撮らないので隣接面の虫歯を見逃す
  • 短時間で施術するので、削りすぎたり、削り足りなかったりする
  • 術後の噛み合わせのことを考慮しない
  • 合わないインレーを適当にはめこむ
  • レジンの充填が不適切
  • すぐに神経を抜こうとする
  • 抜髄処置が不適切なため、予後不良(化膿、抜歯)になる



【歯周病】

  • 歯を救おうとせずに抜歯しようとする
  • 縁下のスケーリング不足で歯石が取り切れていない
  • そもそも患者の主訴が無ければ歯周病対策を行おうとしない



【保険外診療】

  • やたらとホワイトニングやインプラントを勧めるが、リスクを説明しない
  • 噛み合わせを考慮せずに歯列矯正をし、破滅的な歯に仕上げる
  • 勝手に噛み合わせ治療と称して歯を削る



実際、十数件の歯科医院を回ってみた感触では、大なり小なり、上記の内容に当てはまるところが多かったです。正直、腐っていると思う歯科医も何人か居ました。


2ちゃんねる掲示板の「◆歯医者ウゼーよ。これ以上増えるな。潰れろ◆」というスレッドには、

あまりにも増えすぎた歯科医院の厳しい過当競争のため、
最近の歯医者達は患者の歯の寿命を縮める事しか考えていない。
■軽い虫歯を削りまくって銀歯にする■一回で済む治療を何回も分けて来院させる。
■審美治療、インプラントなどまるで無用な物で儲けようとする。
特にインプラントをやっている歯科医には行ってはいけない。
インプラントが本業であるから一日でも早く患者の歯がダメになるように
健康な部位まで遠慮無く削りまくるからだ。
それからパラジウム等、金属が高騰しているため、
最近の歯医者のほとんどは、10年前とは明らかに劣る安価な材質のものを
インレー、クラウンなどに使用している。つまり材質が違うもの同士の詰め物が
噛み合わせの歯にある場合、ガルバニー電流という口内で発生する静電気に
悩まされることになる。つまり歯医者が使う金属の材質など知る由もないから
行かないほうがマシという事である。ほとんどの虫歯などレジンで十分である。
歯医者は詐欺師が多いので行くのをやめよう!!! 

と書かれています。

全部鵜呑みにするわけではないのですが、書いた人の思いはとてもよくわかります。






結局のところ、歯科医というのは、あまりに数が多く、また、その大半が、資質に疑問符のつく低偏差値の大学出身者です。

大学や偏差値で、人を差別するつもりはありません。それは、その人の特性だし、偏差値が低くても、事業で財を成した人も居るし、普通にサラリーマンとして働いている人も居ます。それは全然問題ないです。

医学部は、どの大学でも、とても偏差値が高い学部ですが、そういう事情があるものと思います。医者は人の体を扱い、場合によっては生命を預かる立場です。だから、資質のある限られた人だけが、その資格を手にできるし、現に、国家試験も難しいのです。

翻って歯科医も、人の体を扱いますが、命を預かることは稀です。でも、人の体に重大な変化を与える立場にいることは間違いありません。歯によって、その後の人生が変わることは多いと思うのです(特に、歯を失うという現象の場合)。

歯科医というのは、曲りなりにも患者に対して(大げさにいえば)外科手術をする立場の人です。歯科の基本的な知識を習得し、世に出た後も、知識や技量を向上させていくだけの素養が必要です。

なので、資質の低い歯科医は、本当に世に出てこないでほしいと思います。
もっと言えば、偏差値が30や40の歯科大学は、即刻消えてもらうのが、日本のためだとすら思います。劣悪な診療を受ける患者の身にもなってほしいです。

質の低い歯科医院が、一刻も早く淘汰されることを願っています。

2013年7月16日火曜日

「歯のばんそうこう」で虫歯にさようなら?

2012年09月18日のAFP通信から。

1つ1つの歯を虫歯から守ったり、より白く見せることのできる極薄の膜を、近畿大学(Kinki University)生物理工学部の本津茂樹(Shigeki Hontsu)教授と大阪歯科大学(Osaka Dental University)の吉川一志(Kazushi Yoshikawa)准教授が共同開発した。
 この「歯のばんそうこう」は耐久性に優れた柔軟性に富むシートで、歯のエナメル質の主成分ハイドロキシアパタイトでできている。AFPの電話取材に応じた本津教授によると、「曲げられる」ハイドロアパタイトシートは世界初。歯の保護やエナメル質の修復など、歯科治療での実用化を目指しているという。


こういうすぐれた技術がどんどん実用化されるといいなぁと思います。

虫歯は本来、1本たりとも作ってはいけない。

ブログのタイトル通り、私は今更ですが「歯医者フリー」、つまり、歯医者には極力関わらないほうが身のためである、と痛感しています。

端的に言ってしまえば、歯科医院に行くのは、3か月~半年に1度の歯のクリーニングの時だけ、という状態が人間にとってベストです。

歯科医院とは、人を不愉快かつ不健康にするところだからです。
(しかもお金を払って)


典型的なのが虫歯治療です。

虫歯とは元来、不自然なものです。

野生動物には虫歯は原則として無く、未開の地で暮らす原住民にも虫歯はほとんどありません。しかし、現代人には虫歯が多発します。この原因は、(よく言われますが)主に2つあります。

①穀物等を加熱処理して食べるから。(=柔らかいので、歯に残留しやすい)
②砂糖を消費するから。

いくつかソースがあったので、まとめておきます。
イヌ,ネコには虫歯菌はいない」 
動物は虫歯にならないの
歯磨きのお話

特に、砂糖の害については、厚生労働省のサイトでも明確に指摘されています。
甘味食品・飲料の摂取頻度がう蝕の発病に強く関わっていることは、国内の多くの疫学調査のほか、長期間の介入研究においても立証されている。特に砂糖については、口腔内細菌により菌体表面で不溶性グルカンを合成する際の基質となるなど、他の糖質よりもう蝕の誘発に深く関与していることが明らかにされている。

ということで、砂糖を生活から追放できれば、虫歯との縁はかなり切れそうな感じですね。

砂糖の消費量と虫歯の形成量には、明確な比例関係があります。
953412.fig.001
(出所:http://www.hindawi.com/journals/ijd/2011/953412/



話を戻します。

次に、穴が空いた歯を削って詰め物をする、という行為も、きわめて不自然です。

歯を削って異物を入れることで、
①歯の微妙な高さがズレる
②金属やプラスチックが溶け出して体に妙な影響を与える

といった弊害が発生します。

さらに、詰め物と歯の間には必ず隙間があるので、

③歯垢が滞留しやすくなり、結果、当該部位がまた虫歯になりやすくなる

という悪循環をもたらします。



人間の肉体の一部を削ったり、何かを埋め込んだりするのが良いわけがありません。
歯医者に行けば行くほど、不健康になると考えていいと思います。

もちろん、背に腹は変えられないので、虫歯になれば、行くしかないでしょう。
しかし、歯というのは、野生動物を見ていればわかるとおり、基本的には一生持つものなのです。

つまり、これは理想なのですが、
・虫歯は1本も作ってはいけない。
・虫歯になるような食事はとってはいけない。

というのが、生物として幸せに生きる上での必要条件だと思います。


虫歯になりにくい食事については、別ページをご覧ください。

Wikipediaには、「虫歯は、風邪と同じく、どの世代も抱える普遍的な病気」だと書かれていますが、実際は全然同じではないです。

風邪を引けば、病院に行って、薬をもらって、安静にしていれば回復するでしょう。
これは、元の健康な状態に完全に戻れるという意味です。


しかし、虫歯になって歯科医院に行くと、削って詰められるだけです。
元の健康な状態には戻りませんし、その後一生、撤回できないリスクを抱えることになります。
二次虫歯になるリスク、噛み合わせが変わるリスク、金属やプラスチックによる体へのリスク・・・。
とても、「原状回復」とは言えません。

さらに、「下手くそな歯医者による削りすぎ/う蝕の削り残し」という巨大なリスクも抱えます。
歯の内部は見えません。削ってフタをされたら、適切な措置だったのか不適切だったのかすら、わかりません。ある日突然、被せ物の下が痛みだす。レントゲンにも映らない。開けてみると、取り残した虫歯が神経まで達していた・・・・・・そんな意味不明なリスクを、その後一生抱えなければいけないのです。

これは、割にあいません。

もし、「治療」してくれるのであれば、元のピカピカな歯に戻してくれなければなりません。
歯科医のやっているのは、せいぜい「処置」というべきもので、全然治療ではないのです。


だから、風邪は引いても大したことはないですが、虫歯は大したことなのです。
是が非でも、虫歯は避けて通らねばなりません。
虫歯になっても許容できるのは、せいぜい、乳歯だけです。

そうならないように、小さなお子さんには特に、砂糖を徹底的に避けた食生活を送らせてあげたいものです。

(3歳までに虫歯菌への感染が無ければ、一生虫歯にはならないので、できればその方法が一番良いのですけどね)

虫歯になりにくい食事

理想なのですが、歯科医院で削られるリスクの大きさを考慮すると、
・虫歯は1本も作ってはいけない。
・虫歯になるような食事はとってはいけない。

というのが、生物として幸せに生きる上での必要条件だと最近思います。

では、これには、どうすればいいのか?
簡単です。

野生動物や原始人に虫歯が無いことに倣って、できるだけ野生的な食生活にすればいいのです。

具体的には、

①加熱する食事を減らし、できるだけ生か半生のものを食べる。生の野菜、果物、魚など。
②砂糖を生活から排除する。加工食品にも砂糖が大量に含まれているので、既製品は食べない。外食も避ける。

といったことを日々守ればいいと思います。
しかし、毎日これを貫くのは難しいでしょうから、たま~に例外があってもいいと思います。
しかし、少なくとも小学校に行く前の子供さんには、そういう食生活をさせてあげたいと思います。

具体的に私が実践しているのは

【食べないもの】

  • 既製品かお手製かに関係なく、菓子を一切食べない。
  • ジュースや清涼飲料水も絶対飲まない。果汁100%でも飲まない。
  • 大半の加工品(食パン、ラーメン、シリアル、ハム、ソーセージ、ケチャップ、ソース、ドレッシング、カレールウ、スーパーのお惣菜等)には砂糖が大量に含まれているので、絶対食べない。

【食べるもの】
  • 生野菜や果物を食べる。(野菜は、サラダ系の野菜以外にも、にんじん、大根、玉ねぎなどは切れば生で食べられます)
  • 肉、魚、乳製品、卵、豆腐、納豆などは積極的に食べる。
  • 主食は米にする。(小麦粉由来の製品は米に比べて歯にへばりつくので、なるべく食べない)


といった感じです。


例えば、私のある日の食事ですが・・・

・豚冷しゃぶサラダ(生のキャベツ、ニンジン & 軽く蒸した豚肉、ブロッコリー、しめじ)
・冷奴しょうが乗せ
・スクランブルエッグ
・鶏手羽の塩焼き
・胚芽米

というメニューでした。
味付けは、すべて塩、コショウ、醤油、オリーブオイル、のみです。
これでもじゅうぶん美味しいですし、健康的です。


ときどき、「現代ではそんな食事は現実的に無理」という人がいますが、そんなことはないと思います。

飲み会や外食の回数をできるだけ減らし、かつ、既製品と砂糖を食べなければいいのです。

野菜や果物は生なら切って盛ればいいだけですし、豆腐や納豆、卵はすぐにでも食べられる食品です。それにサっと焼いた魚か肉をつければ、帰宅後30分もあれば食事は用意できると思われます。

歯に良いという面以外にも、砂糖と既製品を避けることには大変重要な意義があります。
それは、ヘルシー、ということです。

砂糖(スクロース)は本来、汎用すべき食品ではなく、栄養面では何らメリットが無い物質です。砂糖がもたらすのは、肥満、興奮、血糖値の異様な上昇、カルシウムの浪費、など、悪いことばかりです。「リラックス効果がある」という砂糖会社の声もありますが、甘味がほしいなら果物食べてください、という話です。砂糖は中毒性が強く、できることなら足を洗うのが良いと思います。

また、パッケージ化された既製品には、得体のしれない化学調味料や保存料がたくさん入れられています。カップ麺や冷凍食品などは、原材料の名前を見るとその多さにびっくりするほどです。なので、これらを避けることで、自然にヘルシーな食生活を送れるのも、歯にやさしい食事をとることの副産物です(余談ですが、私は小さいお子さんに持たせる弁当に、冷凍食品を入れるのは良くない風潮だと思います)。