2013年12月15日日曜日

虫歯の穴に歯と同じ成分を詰める治療法

虫歯に歯と同じ成分を吹き付けて治療する装置が登場

というニュースが2009年にありました。


・東北大学
・サンギ(歯磨き粉「アパガード」で有名な会社)
・仙台ニコン 
が、虫歯で削った部分に歯のエナメル質と同じ成分のハイドロキシアパタイト微粉末を高速で吹き付けて治療する装置を開発したそうです。
歯と同じ成分ゆえ、歯と同化してくれるので、従来の削った部分に樹脂や金属をそのまま接着する治療法よりも、虫歯の再発が抑えられると期待されていました。



3年後の商品化を目指し臨床実験に入る、と書かれていますが、その後、音沙汰がありませんでした。

しかし、頓挫したわけではなく、研究は着々と進められているようです
現在は、臨床試験中のようですね。

パイロット試験、ピボタル試験(世に出す前の最終試験)が終わるのが、平成28年ということで、あと3年後には市場に出回る可能性がありそうです。

研究の実施計画


劣化によって二次虫歯の発生が起きやすい材料(レジンなど)から脱却できれば、素晴らしいことですね。詰めたら歯と同化する。これは大変偉大なことだと思います。

2013年11月15日金曜日

生の果物は虫歯になりにくい

虫歯の原因は、糖です。

一番大きなリスクをもたらすのが砂糖(スクロース)。
これは、細菌が歯垢を作るのを促すグルコースと、酸を作るのを促すフルクトースが1:1であわさった糖です。

歯垢が形成されるうえに、酸まで生産されてしまうので、とても危険なわけです。


それ以外に、グルコースのみ、フルクトースのみを含んだ食品でも、虫歯のリスクにはなります。

グルコースもフルクトースも、植物が体内に蓄える「糖」なので、植物性食品の中には多かれ少なかれ、入っています。

グルコースは主に穀物やイモ類や果物に。
フルクトースは主に果物に。

それぞれ含まれています。

ちなみに、砂糖(スクロース)も、いろいろな植物に含まれています。ただし、精製された砂糖のように高い純度ではありません。

グルコース、フルクトース、スクロース(砂糖)は、いずれも口の中に入れると甘さを感じます。



さて、ここから本題。
市販のお菓子は砂糖たっぷりなので、虫歯の大きな原因になりますが、では果物はどうでしょうか?

結論から言うと、果物は原則、虫歯になりにくい食品です。

理由は2つあります。

①繊維質が多く、歯にへばりつかずに洗い流されるから。
②スクロース(砂糖)をあまり多く含まないから。

どちらかというと①のほうがメインの要素です。

果物の多くは甘いのですが、その甘さは果物に含まれている各種の「糖」に起因します。
果物には、フルクトースを中心に、グルコースやスクロース(砂糖)が程よく含まれていて、それが甘いのです。

スクロース(砂糖)一辺倒ではないという点で、菓子とは違っています。

ただ、やはり砂糖が含まれているという点では、虫歯のファクターになります。

しかし、果物はそれでもなお、虫歯になりにくいのです。
(例えば、http://dentist-free.blogspot.jp/2013/05/blog-post_18.html において、リンゴは虫歯リスクが大変低い食品です)

なぜか?

それは、果物のほとんどは歯にへばりつかないからです。

果物の多くは水分と繊維質なので、歯の間にべっとりと張り付いたりしません。
ほとんど歯に付着せずに、胃まで流れて行ってくれます。

歯の間に果物片がつまることはありますが、繊維質なので、うがいをするか、フロスをかけるかすれば、すぐに塊ごと除去することができます。

これが、果物がふつうの菓子やパンよりずっと虫歯になりにくい理由です。

リンゴ、ナシ、みかん、キウイ、ぶどう、パイナップル、いちご、モモ、などがおすすめです。

例外として、バナナだけは、粘度が高く、糖分が多く、歯にへばり付きやすいので、注意が必要です。




※注意

虫歯になりにくいのは、「生の果物」です。
ドライフルーツやコンポートなどは、糖分が凝縮されている上に繊維質が緩んでいるので、粘度が高く、歯にくっつきやすくなっています。よって、虫歯予防という観点からは、全くおすすめできません。最近売上が伸びているというフルーツグラノーラ(朝食用シリアル)に入っているレーズンやドライマンゴーなどは、甘い上に歯に付きやすく、できれば避けたほうがいいでしょう。

砂糖の害 その2

砂糖というのは、虫歯の最大の原因の1つです。

グルコースとフルクトースという構成が原因です。
また、実際上も、砂糖がほとんど普及していない途上国や未開の地では、虫歯はほぼ存在しません。

砂糖の害悪性については、厚生労働省も「砂糖は齲蝕の要因である」旨を述べているのですが、不思議なことに、製菓メーカーや製糖メーカーは、砂糖の害について反論しています。

曰く、

▼一人当たり年間の砂糖消費量は、日本が20kg弱で、北欧フィンランドでは40kgです。
ですから、「フィンランドでは、日本の二倍の砂糖を消費していますが、虫歯の発生が少ない」のです。(http://www.nitten.co.jp/column/xylitol.html

▼糖分はさまざまな食べ物に含まれるので、お砂糖をとらないようにすることよりも、菌が増殖する口中環境を作らないよう、食後の歯磨きを習慣づけることが大切といえます。(http://www.mitsui-sugar.co.jp/enjoy/dictionary/



ここで強調されているのは、

「砂糖を食べても、歯磨きをしっかりすれば虫歯にならない」

という点です。


しかし、実質的には、歯磨きを完璧にできる人は多くありません(磨いてもどうしても歯垢が残ってしまう人が多い)。その場合に、砂糖を含んだ食事をしていなければ、虫歯リスクを減少させることができます。

砂糖を常用していると、磨き残しがあった場合に、虫歯リスクを高めます。砂糖会社の言う歯磨き至上主義は、実際にはあまり有用とは言えません。


また、よく理由づけに使われる「日本よりも砂糖消費量の多い欧米各国では日本より虫歯の発生率が低い」というのも、こじつけな気がします。

なぜかというと、

・砂糖は、摂取頻度と口の中の残留時間が問題なのであって、消費量とは関係ない

からです。

砂糖を20キロ食べようが40キロ食べようが、口の中に残って害をなす時間が同じであれば、害も同じです。胃袋に入る重さではなくて、口の中に残る量が問題なので。


それと、砂糖を「まったくといっていいほど」摂取しない、アフリカのいくつかの国では、虫歯の発生はほぼゼロです。これらの国では、常識的に考えて、日本ほどブラッシングの習慣は無いでしょう(国際援助で歯ブラシを寄贈したりしているくらいですので)

つまり、「砂糖に限らず食物残渣で虫歯になる」のではなくて、砂糖は明らかに虫歯にとっては巨大なリスク要因であり、摂取量をゼロにすれば、虫歯もまたゼロになると考えられます。

砂糖の消費は、年間5キロでも20キロでも、虫歯への影響という観点からは、大差ありません。

摂取量ゼロを目指すのが、一番の理想です。

それが難しい場合は、摂取頻度をできるだけ控えて、歯にへばりつく菓子パンやクッキーなどは避けること。そして、もし食べてしまった場合は、速やかにブラッシングなどで歯からこそげ落とすこと。

これが肝要です。

砂糖の害 その1

「甘いものを食べすぎると虫歯になる」
というのは、昔から漠然と言われていることです。

これは、正確に言うと、
「砂糖が口の中に残留すると、虫歯になりやすい」
となります。

砂糖(スクロース)は、グルコースとフルクトースの分子が結合した形をしています。

グルコース ・・・ 歯垢を形成する
フルクトース ・・・ 歯垢をエサにして、酸を生成する (歯を溶かす)

虫歯菌は、上記のように働くので、この2つが同時に存在する砂糖というのは、虫歯菌にとって最良の餌になるというわけです。


で、口腔内は唾液による自浄作用が働いているので、多少砂糖が入ってきても、洗い流せる程度であれば、そんなに問題ありません。数分~数十分で、口腔内のpHは元に戻ります。よって、歯はそんなに溶けません。

しかし、以下のようなケースでは、唾液で洗い流せずに砂糖が口の中に滞留するので、虫歯ができやすくなります。

①頻繁に砂糖を口に入れている場合
②粘着性の高い食品に砂糖が含まれている場合


①のケースは、常時キャンディーを舐めていたり、清涼飲料水や缶コーヒーをちびちび飲んだりしているときに起こります。せっかく唾液で洗い流そうとしても、次から次にちょっとずつ砂糖が入ってくるので、浄化が追い付かないのです。

②のケースは、菓子パンやチョコレート、クッキーなど、砂糖が含まれていて歯にへばりつきやすい食品を食べた場合に起こります。これらの食品は、唾液はおろか、うがいをしても、なかなか洗い流されず、歯の溝や歯間に長い間ベットリと張り付いて残っています。 そこから虫歯になります。



よって、できる対策としては、

・できるだけ砂糖を含む食品を食べない
・食べる場合は、ダラダラと長く食べるのではなく、一気に食べて口を休ませる
・砂糖+小麦粉+油脂、を含んだ食品は歯にへばり付きやすいので、なるべく避ける。食べるなら、食後はうがい&歯ブラシ&フロス、を忘れずに。

2013年7月27日土曜日

「ちゃんと磨かないから虫歯になる」 という訳ではない

小さいころ、子供に虫歯ができると、親がよく言っていました。

「ちゃんと磨かなかったからだ」 と。


しかし、これは真実ではないです。


幼少期の虫歯というのは、大半が不適切な食生活とオーラルケアによるものです。

リスクファクターとしては、影響度が大きそうな順に、


  1. 砂糖の摂取が頻繁
  2. フッ化物を使っていない
  3. 歯垢が残りすぎ
  4. 歯科医院に定期的に通わせていない

そもそも、多少の磨き残しがあっても、砂糖の摂取量と頻度が低く、フッ化物を利用しているなら、虫歯のリスクはかなり減ります。


(1)砂糖の摂取が頻繁
これが最も大きなファクターと思われます。
なぜなら、他の要素が満たされていない国(発展途上国など)でも、砂糖の摂取量がほぼ0の国では、子供に虫歯はできないからです。

親が意味不明に子供に砂糖を与えまくるのは、ほとんど虐待です。
子供の味覚は発展途上のため敏感で、甘いものを覚えると、どんどん甘味中毒になっていきます。
3食をきっちり与え、余計な甘いものを幼いうちから与えないのが、一番健康な状態に近いです。
味覚の基礎が完成した後、5,6歳になってはじめて菓子を食べても、さほど砂糖のヘビーユーザーにはなりません。

清涼飲料水やジュース(果汁100%であっても)、ケチャップ、ソース等にも大量の砂糖が入っているので、特に注意が必要です。
どうしても甘いものを与えたいなら、イモ類や果物などの天然甘味を与える程度で充分です。

おやつが必要であれば、おにぎりやキシリトールガム、スティック人参、チーズなどにしましょう。


(2) フッ化物を使っていない
子供の歯は乳歯でも永久歯でもエナメル質が大変柔らかく、酸の浸食を受けやすいようになっています。この状態のときにフッ化物を使うと、歯のエナメル質が変質し、強靭になります。よって、先進国ではほとんど必須の方法で、日本でも最近は自然に実施することができるようになりました(歯磨き剤の多くにフッ化物が含まれており、また、小学校などでフッ化物洗口をするところも多くなってきたため)。

しかし、フッ化物の入っていない歯磨き粉を使ったり、ジェルや洗口液を使っていない家庭では、子供のう蝕リスクは高くならざるを得ません。


(3) 歯垢が残りすぎ
・親が仕上げ磨きをしていない
・フロスを使っていない
ことによって起こります。

「ちゃんと磨かなかったからだ」という親は多いのですが、そういう親に限って、フロスを使っていません(というより、使うという習慣が無い)。

歯ブラシだけで落とせるのは、歯垢の50%~60%程度です。フロスや糸ようじを使わなければ、歯間の歯垢は永く残ります。


(4) 歯科医院に定期的に通わせていない
いまだに、「歯医者は、虫歯が見つかってから行くもの」 という考えの日本人は多いです。
しかし、「虫歯を作らない」ために歯医者に行くのが本来の理想なので、子供は3か月~6か月くらいのスパンで、定期的に歯科医院に通わせるべきです。

歯石などをクリーニングしてもらうことと、「きちんと歯垢はとれているか?」をチェックして、虫歯の予防をしてもらうことが主なメニューです。

親切な歯医者であれば、それに加えて、食事指導などもしてくれることでしょう。

ただし!
虫歯が見つかったり、歯並びが悪いから矯正が必要だと言われたりしても、すぐに対処してはいけません。

歯を削るにしても、矯正にしても、子供の一生を左右することなので、じっくり考え、セカンドオピニオンをもらいに別のところに行ったり、書籍を読んだりして、決めましょう。

その場合、たとえば、
「現状維持のまま様子を見る」 という結論が出たとしでも、納得しているならOKです。
歯医者が無理強いするようなら、もうそこの歯医者にはいかないという方法もとれます。

歯は一生ものです。一度手を加えると、元には戻りません。
削る、抜く、という行為は、できるだけ避けましょう。

子供の歯が悪くなるのは親の責任

子供の歯が虫歯になったり、歯並びが悪くなったりするのは親の責任です。
なぜなら、歯の健康状態の悪化は、それ相応の生活習慣と予防不足に起因するからです。

子供は歯に関する知識が無いので、親が監督しなければなりません。
子供を虫歯や悪い歯並びにすることは、その後の子供の苦労を考えると、虐待とすら言えます。

よくあるパターンを以下にまとめます。


● 2歳~3歳の間に、虫歯菌が感染しやすい環境で育てている

  • 親が口に含んだものを子供に与えている
  • 子供にキスする習慣がある
  • 親が使った食器(箸など)で子供に食事を与えている
  • 親が熱いものに息をかけて冷ましてから子供に与えている(唾液飛沫により感染)
  • 祖父母や保育園などに預けている(家庭外では、何をされるかわからず、食事時に感染するリスクが高い)
  • 親に虫歯が多い(子供が生まれたら、虫歯治療はしておきましょう)


●食事の内容と頻度が不適切

  • 砂糖や味の濃いものを与える(子供が甘いものに過剰な欲求を示す/歯の脱灰を急進させる)
  • 1日3食を守っていない/菓子やジュースをダラダラと頻繁に与える
  • 柔らかい食事中心(歯と顎が発達せず、歯並びが悪くなる。虫歯や歯周病になりやすい)
  • 親の不在時に、祖父母などが食事や菓子を与える
  • 牛乳や清涼飲料水を常飲している


●虫歯対策をしていない

  • フッ素入りの歯磨き剤や洗口液を使用していない(生え始めの乳歯や永久歯はフッ素が特に重要)
  • デンタルフロスを使っていない
  • 親が仕上げ磨きをしていない(10歳くらいまでは必要と言われています)
  • キシリトールガムやタブレットなどの補助食品を使っていない


●歯を歪ませる癖を矯正していない

  • 子供が枕に対して横向きに寝ている(頬と顎の形状が非対称になりやすい)
  • 頬づえ、足組み、片側噛みなどをしている
  • テレビを横目で見ながら食事をしている(咀嚼時に、顔が横向きになっていると正常に骨が発達しない)



こんな感じでしょうか。

特に、祖父母の家に預けるときは要注意です。

どんなに言い含めても、おじいちゃんおばあちゃんというのは、食事時に大人の唾液が触れた食器で食事を与えたり(ひどいときは、噛み与えをしたり)します。また、勝手に菓子を買い与えたりもします(「お母さんには内緒ね」とか言いながら)。

保育園も要注意です。食器の使い回しや、飛沫感染、おやつ等、リスクは多いです。

共働きなど、家庭の事情がある場合は仕方ないですが、できれば3歳までは、子供は家で育ててあげたほうが歯にとっては良いと思われます。それが難しい場合は、虫歯菌に感染することは妥協して、歯の清掃やフッ化物の利用などで、虫歯対策を徹底すべきでしょう。

2013年7月19日金曜日

歯医者は悪魔

虫歯になると、歯医者に行きます。
そこで患部を削って、詰め物でフタをします。

それを、彼らは「治療」といいます。

しかし、「治療」とは、「治癒」ではなく、せいぜい「補修」といったところです。

その致命的な欠点は、詰めた歯はその隙間からまた虫歯になる(なりやすい)ということです。

なので、

削る → 詰める → また虫歯になって削る → 詰める


ということを時とともに繰り返すことになりやすいです。

歯は削ると、それだけ脆くなり、平均的には3回目には神経を抜き、4回目には抜歯、ということになります。


補修後に、きちんと歯磨きするようにすればいいんでない?
というのは、誤解です。

詰め物の大半は、歯との継ぎ目に、隙間ができます。
そこから細菌と食物残渣が入り込み、虫歯が再発します。


二度と虫歯が再発しない方法は無いの?
という疑問は当然ですが、そういう風に「治療」してくれる歯医者はスズメの涙ほどしか居ません。

「二度と再発しないような丈夫な方法で治療してくれ」
と依頼すると、
「そんなの無理」
と言われます。

「じゃあ、何年くらいもつの?」
と聞くと、
「個人差があるからわからない」
と言われます。

「個人差はわかったから、平均的、一般的に言って、何年くらい?」
と聞くと、
「わからない」
と言われます。

「じゃあ、二次虫歯になったかどうか、どうやって判断するの?」
と聞くと、
「総合的に判断する」
と言い、具体的な方法については口を閉ざします。

「具体的には? レントゲンでわかるの? 目で見てわかるの?」
と聞くと、
「レントゲンや、年数や詰め物の欠け具合で総合的に」
と言うだけです。

ひどいのになると、パノラマレントゲンを1枚撮っただけで、そこに映っていないからといって、「虫歯なし。健康健康。歯磨き頑張ってね~~」と言う歯医者も居ました。(そして後日、隣接面やインレー下の深い虫歯が発覚・・・)

歯科医とは、このように、大変いい加減で無責任なものです。


削った歯は、虫歯の再発という点で、非常にリスクが高くなることは間違いありません。
が、あれだけ林立していながら、まともに虫歯を発見して削って詰めてくれる人は一握りも居ないと思われます。

歯医者とは、悪魔です。

  • 定期健診に通っていたのに、虫歯を発見できず、見つかったときには既に末期。
  • 小さな虫歯を大きく削り、「ああ、もうこれはダメだね」と言って抜髄する。
  • 不必要な歯まで虫歯だと言って削る。
  • 噛み合わせ調整と称して前歯を削る。

といった行為を「歯科医療行為」と称して平然と行います。

まともな歯医者に当たる可能性が低いことを考えると、虫歯を作ってしまうリスクは相当なものだと自覚せねばなりません。ガンや糖尿病と同じくらい、予防が大事な病気なのです。

だから、歯科医院には、クリーニングの時以外は、決して近づいてはいけないのです。

これはすなわち、一生自分の歯でかみたいなら、虫歯は1本も作ってはいけないということです。
入口から封鎖しなければ、歯は守れません。



ただ、このアドバイスは、すでに虫歯を作ってしまった多くの人には無意味なものです。
私も含め、そういう人がいつか報われる日が来ることを、心から願っています。
歯の再生医療が速く進むといいなぁ・・・。

2013年7月18日木曜日

アメリカでの一般的な歯の状態

http://www.kitadds.com/concept/cavity-prevention/%E4%BA%88%E9%98%B2%E3%81%AE%E9%87%8D%E8%A6%81%E6%80%A7/

に、アメリカ人の一般的な歯の状態が3例、掲載されています。
綺麗ですねぇ・・・。




この歯科医さんは、
基本的に歯の構造を変えて、虫歯に成りにくくする。そんな事が実は現在の技術で可能なのです。(ただフッ素を表面に塗るだけではないですよ。)
と書かれていますが、おそらく、私の予想では、
①低濃度のフッ化物を日常的に口に入れている
②硬水を日常的に口に入れている

の2つが日本との違いでしょう。

①は水道水によるうがい、②は飲み水ですね。

①はよく言われていますが、②も以外に重要なのではないかと最近ネットを見てて思います。海外の水って、基本的にカルシウム、マグネシウムなどが含まれた硬水で、歯に良さげです。

あとは、これらの物質への暴露を、幼少期から自然に開始していることが重要なんでしょうね。

2013年7月17日水曜日

歯科医過剰問題

Wikipediaに、「歯科医師過剰問題」という項目があります。
日本には歯科医が多すぎるという社会問題が漫然と存在しているのです。

具体的な数値として、日本全国に
コンビニは約4万件
歯科医院は約6.8万件
といった具合だそうです。

消費者側の視点でいえば、スーパーやコンビニは多ければ多いほどいいのかもしれません。便利だし、価格競争が起きて消費者の利益が増えます。

しかし、歯科医院は、多ければ多い程いいとは言えません。
なぜなら、

①質の低い歯科医が増えるから
②過当競争で追い詰められた歯科医院は、雑な施術や高額な保険外診療を行う恐れがあるから

です。


①について、歯科医が増えたということは、私立の歯科大学が過剰に卒業生を出しているというところに大きな原因があります。

Wikipediaには、「私立歯科大学定員割れ問題」という項目もあって、私立の歯科大学の数とそれぞれの大学の定員が多すぎて、結果的に歯科医が供給過剰になっているという構図があります。

歯科大学が統廃合するなり定員を減らすなりしないと、歯科医の供給過剰は続きます。1年で1200人の歯科医が誕生すればそれでいいのに、現状、2500人も誕生してしまっているそうです。

もう1つ、由々しい問題は、私立の歯科大学の偏差値がものすごく低いことです。国公立の歯学部と比べると、私立の歯科大学の大半は、偏差値が30台か40台で、中にはフリーボーダー(偏差値なし)のところもあります。一般の大学受験を経験したことがある人なら、これが著しく低い数値だということがわかるでしょう。およそ大学として成立しているかどうかも怪しい偏差値です。

端的に言うと、ものすごく頭の悪い人が歯科医候補として入学しているのです。
私大は、歯科医の国家試験の合格率が異様に低くなっていますが、さもありなんです。基本的な知識の習得や勉強に問題のある人が、試験に通りにくいのは道理です。

しかし、そんな中でも、合格した人が歯科医として輩出されて、それが現在の歯科医過剰問題を生んでいます。

歯科医院の数が多いということは、「質の低い(少なくとも、入学時には頭の悪かった)歯科医のいる歯科医院が多いということです。
そんな歯科医院が、コンビニ並みの数、存在しているのです。
安心して自分の体を預けられますか?
私には、とても無理です。





続いて、②です。

そんな、質の低そうな歯科医院が多いという事情も背景にあり、ただでさえ技能的に疑問符のつく歯科医が、過当競争で追い詰められ、雑な診療や、できもしない高額自費診療を行ったりする可能性が高まります。

具体的に考えられる点として、


【虫歯】

  • 器具をきちんと減菌しない
  • バイトウィング(レントゲン)を撮らないので隣接面の虫歯を見逃す
  • 短時間で施術するので、削りすぎたり、削り足りなかったりする
  • 術後の噛み合わせのことを考慮しない
  • 合わないインレーを適当にはめこむ
  • レジンの充填が不適切
  • すぐに神経を抜こうとする
  • 抜髄処置が不適切なため、予後不良(化膿、抜歯)になる



【歯周病】

  • 歯を救おうとせずに抜歯しようとする
  • 縁下のスケーリング不足で歯石が取り切れていない
  • そもそも患者の主訴が無ければ歯周病対策を行おうとしない



【保険外診療】

  • やたらとホワイトニングやインプラントを勧めるが、リスクを説明しない
  • 噛み合わせを考慮せずに歯列矯正をし、破滅的な歯に仕上げる
  • 勝手に噛み合わせ治療と称して歯を削る



実際、十数件の歯科医院を回ってみた感触では、大なり小なり、上記の内容に当てはまるところが多かったです。正直、腐っていると思う歯科医も何人か居ました。


2ちゃんねる掲示板の「◆歯医者ウゼーよ。これ以上増えるな。潰れろ◆」というスレッドには、

あまりにも増えすぎた歯科医院の厳しい過当競争のため、
最近の歯医者達は患者の歯の寿命を縮める事しか考えていない。
■軽い虫歯を削りまくって銀歯にする■一回で済む治療を何回も分けて来院させる。
■審美治療、インプラントなどまるで無用な物で儲けようとする。
特にインプラントをやっている歯科医には行ってはいけない。
インプラントが本業であるから一日でも早く患者の歯がダメになるように
健康な部位まで遠慮無く削りまくるからだ。
それからパラジウム等、金属が高騰しているため、
最近の歯医者のほとんどは、10年前とは明らかに劣る安価な材質のものを
インレー、クラウンなどに使用している。つまり材質が違うもの同士の詰め物が
噛み合わせの歯にある場合、ガルバニー電流という口内で発生する静電気に
悩まされることになる。つまり歯医者が使う金属の材質など知る由もないから
行かないほうがマシという事である。ほとんどの虫歯などレジンで十分である。
歯医者は詐欺師が多いので行くのをやめよう!!! 

と書かれています。

全部鵜呑みにするわけではないのですが、書いた人の思いはとてもよくわかります。






結局のところ、歯科医というのは、あまりに数が多く、また、その大半が、資質に疑問符のつく低偏差値の大学出身者です。

大学や偏差値で、人を差別するつもりはありません。それは、その人の特性だし、偏差値が低くても、事業で財を成した人も居るし、普通にサラリーマンとして働いている人も居ます。それは全然問題ないです。

医学部は、どの大学でも、とても偏差値が高い学部ですが、そういう事情があるものと思います。医者は人の体を扱い、場合によっては生命を預かる立場です。だから、資質のある限られた人だけが、その資格を手にできるし、現に、国家試験も難しいのです。

翻って歯科医も、人の体を扱いますが、命を預かることは稀です。でも、人の体に重大な変化を与える立場にいることは間違いありません。歯によって、その後の人生が変わることは多いと思うのです(特に、歯を失うという現象の場合)。

歯科医というのは、曲りなりにも患者に対して(大げさにいえば)外科手術をする立場の人です。歯科の基本的な知識を習得し、世に出た後も、知識や技量を向上させていくだけの素養が必要です。

なので、資質の低い歯科医は、本当に世に出てこないでほしいと思います。
もっと言えば、偏差値が30や40の歯科大学は、即刻消えてもらうのが、日本のためだとすら思います。劣悪な診療を受ける患者の身にもなってほしいです。

質の低い歯科医院が、一刻も早く淘汰されることを願っています。

2013年7月16日火曜日

「歯のばんそうこう」で虫歯にさようなら?

2012年09月18日のAFP通信から。

1つ1つの歯を虫歯から守ったり、より白く見せることのできる極薄の膜を、近畿大学(Kinki University)生物理工学部の本津茂樹(Shigeki Hontsu)教授と大阪歯科大学(Osaka Dental University)の吉川一志(Kazushi Yoshikawa)准教授が共同開発した。
 この「歯のばんそうこう」は耐久性に優れた柔軟性に富むシートで、歯のエナメル質の主成分ハイドロキシアパタイトでできている。AFPの電話取材に応じた本津教授によると、「曲げられる」ハイドロアパタイトシートは世界初。歯の保護やエナメル質の修復など、歯科治療での実用化を目指しているという。


こういうすぐれた技術がどんどん実用化されるといいなぁと思います。

虫歯は本来、1本たりとも作ってはいけない。

ブログのタイトル通り、私は今更ですが「歯医者フリー」、つまり、歯医者には極力関わらないほうが身のためである、と痛感しています。

端的に言ってしまえば、歯科医院に行くのは、3か月~半年に1度の歯のクリーニングの時だけ、という状態が人間にとってベストです。

歯科医院とは、人を不愉快かつ不健康にするところだからです。
(しかもお金を払って)


典型的なのが虫歯治療です。

虫歯とは元来、不自然なものです。

野生動物には虫歯は原則として無く、未開の地で暮らす原住民にも虫歯はほとんどありません。しかし、現代人には虫歯が多発します。この原因は、(よく言われますが)主に2つあります。

①穀物等を加熱処理して食べるから。(=柔らかいので、歯に残留しやすい)
②砂糖を消費するから。

いくつかソースがあったので、まとめておきます。
イヌ,ネコには虫歯菌はいない」 
動物は虫歯にならないの
歯磨きのお話

特に、砂糖の害については、厚生労働省のサイトでも明確に指摘されています。
甘味食品・飲料の摂取頻度がう蝕の発病に強く関わっていることは、国内の多くの疫学調査のほか、長期間の介入研究においても立証されている。特に砂糖については、口腔内細菌により菌体表面で不溶性グルカンを合成する際の基質となるなど、他の糖質よりもう蝕の誘発に深く関与していることが明らかにされている。

ということで、砂糖を生活から追放できれば、虫歯との縁はかなり切れそうな感じですね。

砂糖の消費量と虫歯の形成量には、明確な比例関係があります。
953412.fig.001
(出所:http://www.hindawi.com/journals/ijd/2011/953412/



話を戻します。

次に、穴が空いた歯を削って詰め物をする、という行為も、きわめて不自然です。

歯を削って異物を入れることで、
①歯の微妙な高さがズレる
②金属やプラスチックが溶け出して体に妙な影響を与える

といった弊害が発生します。

さらに、詰め物と歯の間には必ず隙間があるので、

③歯垢が滞留しやすくなり、結果、当該部位がまた虫歯になりやすくなる

という悪循環をもたらします。



人間の肉体の一部を削ったり、何かを埋め込んだりするのが良いわけがありません。
歯医者に行けば行くほど、不健康になると考えていいと思います。

もちろん、背に腹は変えられないので、虫歯になれば、行くしかないでしょう。
しかし、歯というのは、野生動物を見ていればわかるとおり、基本的には一生持つものなのです。

つまり、これは理想なのですが、
・虫歯は1本も作ってはいけない。
・虫歯になるような食事はとってはいけない。

というのが、生物として幸せに生きる上での必要条件だと思います。


虫歯になりにくい食事については、別ページをご覧ください。

Wikipediaには、「虫歯は、風邪と同じく、どの世代も抱える普遍的な病気」だと書かれていますが、実際は全然同じではないです。

風邪を引けば、病院に行って、薬をもらって、安静にしていれば回復するでしょう。
これは、元の健康な状態に完全に戻れるという意味です。


しかし、虫歯になって歯科医院に行くと、削って詰められるだけです。
元の健康な状態には戻りませんし、その後一生、撤回できないリスクを抱えることになります。
二次虫歯になるリスク、噛み合わせが変わるリスク、金属やプラスチックによる体へのリスク・・・。
とても、「原状回復」とは言えません。

さらに、「下手くそな歯医者による削りすぎ/う蝕の削り残し」という巨大なリスクも抱えます。
歯の内部は見えません。削ってフタをされたら、適切な措置だったのか不適切だったのかすら、わかりません。ある日突然、被せ物の下が痛みだす。レントゲンにも映らない。開けてみると、取り残した虫歯が神経まで達していた・・・・・・そんな意味不明なリスクを、その後一生抱えなければいけないのです。

これは、割にあいません。

もし、「治療」してくれるのであれば、元のピカピカな歯に戻してくれなければなりません。
歯科医のやっているのは、せいぜい「処置」というべきもので、全然治療ではないのです。


だから、風邪は引いても大したことはないですが、虫歯は大したことなのです。
是が非でも、虫歯は避けて通らねばなりません。
虫歯になっても許容できるのは、せいぜい、乳歯だけです。

そうならないように、小さなお子さんには特に、砂糖を徹底的に避けた食生活を送らせてあげたいものです。

(3歳までに虫歯菌への感染が無ければ、一生虫歯にはならないので、できればその方法が一番良いのですけどね)

虫歯になりにくい食事

理想なのですが、歯科医院で削られるリスクの大きさを考慮すると、
・虫歯は1本も作ってはいけない。
・虫歯になるような食事はとってはいけない。

というのが、生物として幸せに生きる上での必要条件だと最近思います。

では、これには、どうすればいいのか?
簡単です。

野生動物や原始人に虫歯が無いことに倣って、できるだけ野生的な食生活にすればいいのです。

具体的には、

①加熱する食事を減らし、できるだけ生か半生のものを食べる。生の野菜、果物、魚など。
②砂糖を生活から排除する。加工食品にも砂糖が大量に含まれているので、既製品は食べない。外食も避ける。

といったことを日々守ればいいと思います。
しかし、毎日これを貫くのは難しいでしょうから、たま~に例外があってもいいと思います。
しかし、少なくとも小学校に行く前の子供さんには、そういう食生活をさせてあげたいと思います。

具体的に私が実践しているのは

【食べないもの】

  • 既製品かお手製かに関係なく、菓子を一切食べない。
  • ジュースや清涼飲料水も絶対飲まない。果汁100%でも飲まない。
  • 大半の加工品(食パン、ラーメン、シリアル、ハム、ソーセージ、ケチャップ、ソース、ドレッシング、カレールウ、スーパーのお惣菜等)には砂糖が大量に含まれているので、絶対食べない。

【食べるもの】
  • 生野菜や果物を食べる。(野菜は、サラダ系の野菜以外にも、にんじん、大根、玉ねぎなどは切れば生で食べられます)
  • 肉、魚、乳製品、卵、豆腐、納豆などは積極的に食べる。
  • 主食は米にする。(小麦粉由来の製品は米に比べて歯にへばりつくので、なるべく食べない)


といった感じです。


例えば、私のある日の食事ですが・・・

・豚冷しゃぶサラダ(生のキャベツ、ニンジン & 軽く蒸した豚肉、ブロッコリー、しめじ)
・冷奴しょうが乗せ
・スクランブルエッグ
・鶏手羽の塩焼き
・胚芽米

というメニューでした。
味付けは、すべて塩、コショウ、醤油、オリーブオイル、のみです。
これでもじゅうぶん美味しいですし、健康的です。


ときどき、「現代ではそんな食事は現実的に無理」という人がいますが、そんなことはないと思います。

飲み会や外食の回数をできるだけ減らし、かつ、既製品と砂糖を食べなければいいのです。

野菜や果物は生なら切って盛ればいいだけですし、豆腐や納豆、卵はすぐにでも食べられる食品です。それにサっと焼いた魚か肉をつければ、帰宅後30分もあれば食事は用意できると思われます。

歯に良いという面以外にも、砂糖と既製品を避けることには大変重要な意義があります。
それは、ヘルシー、ということです。

砂糖(スクロース)は本来、汎用すべき食品ではなく、栄養面では何らメリットが無い物質です。砂糖がもたらすのは、肥満、興奮、血糖値の異様な上昇、カルシウムの浪費、など、悪いことばかりです。「リラックス効果がある」という砂糖会社の声もありますが、甘味がほしいなら果物食べてください、という話です。砂糖は中毒性が強く、できることなら足を洗うのが良いと思います。

また、パッケージ化された既製品には、得体のしれない化学調味料や保存料がたくさん入れられています。カップ麺や冷凍食品などは、原材料の名前を見るとその多さにびっくりするほどです。なので、これらを避けることで、自然にヘルシーな食生活を送れるのも、歯にやさしい食事をとることの副産物です(余談ですが、私は小さいお子さんに持たせる弁当に、冷凍食品を入れるのは良くない風潮だと思います)。

2013年6月11日火曜日

インプラントのリスクを示唆した典型的事例

患者争奪で激化する治療費値下げ合戦
歯医者と歯科医療の意外な真実に迫る!

http://diamond.jp/articles/-/37124


以下、要旨。

今年1月18日、福岡・博多の一等地にある歯科診療所、シティデンタルクリニックの門前に一枚の紙が張られた。そこには「閉院のお知らせとおわび」とあった。

60人以上の患者がそれぞれ数百万円ものインプラント治療費を前払いしており、破綻によって患者たちが大金を失ってしまったのだ。すでに治療していた患者に、まともな手術が行われていなかった疑惑までも浮上

売り上げ不振の背景には、国内インプラント市場全体の急激な縮小があった。出荷本数は2008年をピークに減少に転じ、12年にはピーク時の約3分の2となる40万本強まで落ち込んだ。

2013年6月8日土曜日

歯に悩みを抱えることの辛さ

私は虫歯も多いし、歯周病も中程度まで進んでいます。

前歯12本(上下6本ずつ)以外は、虫歯のせいで何らかの詰め物がされています。
まるでサイボーグのようです。

また、歯周病も進んでいるようで、噛み合わせも悪いので、一部の奥歯が揺れてきています。

歯周病に伴い歯肉が全体的に下がってきているので、歯に鈍痛があります。うずきます。

前歯が月日の経過とともに、ちょっとずつ乱れてきて、噛むと一部の前歯同士がつんのめって当たるようになってしまいました。前歯が痛いです。

食事のたびに歯が揺れる感覚があり、生きた心地がしません。ものを咀嚼するのにも非常に気を遣います。食べ物も、かなり制限せざるをえなくなります。
(歯にへばりつくチョコレート、ケーキ、パン、バナナ、餅、和菓子などは食べない。 リンゴ、キュウリ、煎餅、イカ、タコ、スジ肉などの固いものも食べない)

最近、会話するのもちょっと辛い時があります。鈍痛や、歯が浮く感じ、のせいです。

狂ったように歯垢を落とそうとするようになります。

いつ歯を失うか、心配で心配で、 毎日心の休まる時がありません。
鈍い痛みもあるので、忘れて何かに集中することも難しくなりました。

夜眠るときだけが、唯一、救われる瞬間です。
「ああ、これで次に起きるまでは歯のことを考えなくていいんだ」と思えるからです。

歯周病は本当に恐ろしいものです。
噛めなくなる、会話しづらくなる、といったことに加えて、ブラッシングに異様に気を遣う、常に鈍痛がある、頭がボーっとする、集中できない、といった副作用を引き起こします。


何より辛いのは
「ずっと歯のことで悩み続けなければならない」
という、延々と続く苦行のような状況に陥ってしまうことです。

劇的な治療方法があればいいのですが、2013年時点では、そこまでの特効薬や治療法は無いそうです。 人類の殆どが罹患する病気なんだから、早く治療方法を確立してよ・・・と思うのですが、まだ先は長そうです。

歯の再生医療への期待と不安

歯の再生医療が、ここ10年ほどで結構進んだようなニュースを見ます。

動物実験などで、

「歯根膜が再生できた」
「歯槽骨が再生できた」
「歯が丸ごと再生できた」

などのニュースが散見されるようになりました。
主に、本人から抽出した幹細胞を使ったもの(歯周組織そのものを実験室で増やして患部に埋め込む)と、サイトカイン等の培養液を使ったもの(培養液を患部に塗って、歯周組織の再生を促す)とがあるようです。

人間でこれを再現するには、 まだまだ臨床実験が必要だそうです。論文やニュース記事などを流し読みしている中では、以下のような期待と不安があります。

【期待】
・まだ歯を失っていないが、歯周組織が破壊され始めている人(虫歯で詰め物をしている人、歯周病が進んだ人、等)の歯、歯根膜、歯槽骨を、元のピカピカな状態に戻せるかもしれない。
・既に歯を失ってしまった人が、元の歯を取り戻せるかもしれない

【不安】
・実際に臨床で使えるようになるまでには、何年もかかりそう(10年後とか)
・最初は、適応症が限定されてそう(前歯しか再生できない、とか)
・幹細胞を使う場合は、幹細胞の腫瘍化(癌化)が起こるかもしれない
・歯肉の切開が必要なので、痛そう
・水平的に下がった歯槽骨の再生はまだ難しいかも
・保険適用ではないので、100万円単位で値が張るかもしれない
・歯槽骨再生については、インプラントの埋め込みとセットである場合も多く、インプラントを避けたい人には無意味



感覚的には、実用化が早い順に、

浅い虫歯(エナメル質)の治癒 > 歯肉の再生 > 限局的な歯槽骨の再生 > 深い虫歯(象牙質)の治癒 >  歯根膜の再生 > 歯槽骨の再生 > 歯全部の再生

のようになるのではないかと思います。

歯全部の再生ができるのはいつごろかなぁ・・・。
これが全部、10年以内に実現するといいんですけどね。



アメリカ人の歯

アメリカ人は、歯のケアに熱心と言われます。
しかし、日本人よりずっと綺麗に磨いているかというと、そうでもなかったりします。

1日2回、朝と晩に磨き、晩はフロスをする。
それくらいでしょうか。

でも、彼らは歯に悪そうな食べ物をたくさん食べていますよね。
チョコレート、キャンディー、コーラ、ガム、ドーナツ、など
糖分が多くて虫歯になりやすそうなものが多いです。

でも、虫歯にはなりにくいです。
アメリカの中流家庭では、虫歯は1本も無い、という人も多いです(1/3くらい)
詰め物だらけ、という人はあまり居ません。

その理由として、以下のような事情があるみたいです。

・若い頃に矯正をするので、歯並びが綺麗 → 虫歯になりにくい
・水道水にフッ素が添加されており、若い頃に歯質が強化されている
・定期的に歯科検診に通う習慣がある


努力というのは、方向性さえ間違えなければ、あまりしなくても良いものだったりします。
アメリカ人のデンタルケアは、まさにそれ。

若い頃に、虫歯になりにくい条件を整えておけば、一生苦労しない。
これが虫歯に関しては最強の予防法です。労力が少なくて済むので。


特に、歯並びの良さに起因する磨きやすさ、というのは重要かなぁと思います。
10分くらいサっと磨けば、綺麗になってしまう、美しい歯並びの人と
入念に細かく磨かなければ綺麗にならない、ガタガタの歯並びの人

であれば、後者はどんなに努力しても、前者に及びません。
そのうち、磨くことに疲れて、磨き残しができ、虫歯になってしまうのです・・・。
悲しいですが、歯の健康は、若い頃が勝負です。

2013年6月6日木曜日

日本における歯の教育


西洋人は、おしなべて歯が綺麗です。ここで歯が綺麗というのは、歯並びがよく、かつ、虫歯の本数が少ないという意味です。
とくに、中流以上のアメリカ人(アメリカは先進国ですが貧富の差が激しいため)では、虫歯の発生本数も大変少ないというデータがあります。(統計値は後ほど)

アメリカ人と話していると、歯のケアに関する意識が非常に高いことに気付かされます。
そもそも、歯というのは爪や髪と異なり、毎日きちんと適切なケアをしなければ、虫歯と歯周病によって失われてしまうものなので。ケアの知識を持つことは、普通に寿命を全うしたいなら、大変重要なのです。(この点、髪や爪のケアに余念の無い日本人女性と似ています)

なぜなら、普通に日常的な食事をしているだけでも、人間は虫歯や歯周病を患う可能性が高いからです。
人間は火を使います。調理して、柔らかくして食べます。砂糖も大量に使います。
自然の摂理に反することをしているので、野生動物には必要のない「ケア」が必要になるわけです。

しかし、日本人はそのことをあまりよく認識していない気がします。
正確には、認識している人の割合が低いです。

「歯磨きしないと虫歯になる、歯周病になる」ということはわかっているのですが、

「何を食べたら歯垢が増えやすいか」
「どこを磨けばいいか」
「何分くらい磨けばいいか」
「いつ磨けばいいか」
「歯ブラシ以外にどんな道具を使うべきか」

といった知識が浸透していないので、馬鹿正直に食後に歯磨きを手短に済ませ、歯を失っている傾向があります。
(歯垢を落とし切れていないため)

それから、根本的な問題として、危機感が薄すぎると思われます。

「虫歯や歯周病がいかに恐ろしいか」
「虫歯や歯周病は、予防が最大の防御で、発症したら完治しない」
「発症すると、痛いし、時間がかかり、お金もかかる」
「入れ歯やインプラントは、天然歯にはとても及ばない」

といったことが、少年時代から教育されていないのです。




では、何が必要か?

子どもの場合。
ずばり、親や教師からの教育。これに尽きると思います。
そのためには、親や教師が、まず知識と危機感を持っていなければなりません。

子どもは歯周病にはなりにくいので、虫歯と歯並び対策中心の教育になると思いますが、

・虫歯や歯周病の生々しい説明
・虫歯になりやすい食べ物(特に、砂糖)
・虫歯になりやすい生活習慣(間食を避ける、寝る前にケアする、鼻呼吸する、等)
・フッ素、CPP-APC、キシリトール等による予防
・正しい歯垢の落とし方(ブラシ+フロス+歯垢染色液)
・バランスの良い食事と、左右均等な咀嚼
・歯並びを乱す悪習慣の解消(ほおづえ、片側噛み、横向き寝、歯ぎしり等を避ける)

といったことが非常に重要です。

個人的には、特に永久歯の生えてきた子どもには、1本も虫歯を作ってほしくない、と思います。
少しの歯科補修でも、噛み合わせが狂いますし、補修材料も子どもの発育には良くないからです。
また、痛い側で噛まなくなる可能性もあります。


これと同時に、半年に1回程度の歯科チェックも欠かさないように習慣化すべきです。



大人の場合。
・歯垢が発生しやすい食べ物(特に、砂糖)
・歯垢が発生しやすい生活習慣(間食を避ける、寝る前にケアする、鼻呼吸する、等)
・フッ素、CPP-APC、キシリトール等による虫歯予防
・正しい歯垢の落とし方(ブラシ+フロスor歯間ブラシ+歯垢染色液)

といった子供と同じ内容に加えて、
・特に20代、30代には、これから来る歯周病の危険性の周知と対処方法
・歯槽骨の減り具合の定期的なチェック
・2次カリエスについての周知
・根面う蝕についての周知
・神経をとることのデメリットの周知
・入れ歯、インプラントの難点の周知

といったことが必要と思います。

まだ歯を失っていない人は、歯のケアを安易に考えてはいけないと思います。
日々のちょっとした怠慢と無知が、後年、死活問題を引き起こします。

最低でも寝る前には20分~30分、正しく歯垢を落とす。
間食は控える。有糖のコーヒーや清涼飲料水も控える。
歯の状態が悪い人は、歯にへばりつく食事や砂糖の多い食事を控える。
3ヶ月に1回は歯科のチェックとクリーニングを受ける。

他愛もないことですが、それが人生を左右します。
無知とは、恐ろしいことです。

2013年6月4日火曜日

アマルガムの危険性

歯科の補修材料として、アマルガムという金属があります。
これは、水銀とスズ、銀をあわせた合金のことを言います(一般に、水銀と他の金属との合金のことを一般用語で「アマルガム」といいます)。

水銀とは、昔から不思議な性質を持つ金属で、他の金属に触れると、その金属を吸い込むように取り込み、合金を形成します。水銀は液体ですが、合金は元の金属よりはやわらかい個体になります。

奈良の大仏は水銀のこの性質を使って作られました。金を水銀に化合させ、成型し、300度程度で水銀を蒸発させて完成させたのだそうです。(水銀を蒸発させる過程で、蒸気を吸い込んだ労働者が多数死んだと言われています)


歯科用アマルガムの組成割合は、水銀が50%、銀が20~30%、スズが10~15%、その他に銅や亜鉛などが入っていることが多いようです。1980年頃まで、日本でもごく普通に使われており、その年代の人達の口の中には、今でも存在しています。しかし、現在は水銀のリスクを懸念する人が多く、あまり使われなくなりました。今日の日本の歯科医院では、全く取り扱っていないところも多いです。

歯科用アマルガムの原理は次のようなものです。
水銀を、銀やスズの粉末とミックスして泥状のペーストを作ります。混ぜてすぐの時点では、まだ柔らかい泥のような状態です。それを削った歯の穴に詰めます。アマルガムペーストは、詰めてから5分くらいで硬化しはじめ、10分もすると、ほぼ固まります。しかし、完全硬化するまでは24時間以上が必要とされ、それまでは固い食べ物(せんべい等)を避けるべきとされています。


アマルガムのメリットは、
・レジンと同じように液状なので、虫歯を削った穴に直接充填することができる。
・硬化時に膨張するので、きちんと詰めれば、密封性が高められる
・金属なので、奥歯の咬合面に詰めても咬合圧に耐える
・含まれている銀イオンの殺菌効果により、二次カリエスになりにくい
・マイナス帯電のため、食物残渣を寄せ付けにくい

といったことがあるようです。
特に、奥歯の咬合面に直接充填できることのメリットは大きいと思われます。


反面、デメリットは、
・水銀を体内に吸収してしまう
・インレーよりは柔らかいので、長期利用によってすり減る
・水銀が蒸発していくことにより、詰め物に微細な穴が空き、経年劣化する可能性がある
・あまり大きい窩洞には適さないとされる(咬合面にちょっと空いた虫歯穴を埋める、くらいの時が一番効果が高い)

ということです。

何といっても、圧倒的なデメリットは水銀の吸収リスクです。
水銀は常温でも蒸発するので、詰めた後は、どんどん蒸発したり、唾液とともに溶け出していくと考えられています。
高温状態でなければ流出しない、というものではないのです。
食事の時の咬合や、熱いお茶を飲んだ時などの流出は避けられないと思われます。


硬化したアマルガムには水銀が数%しか含まれていない、と主張する人もいるそうですが(JIS工業規格ではそうらしい)、これって本当?と疑ってかかる必要があります。

だって、詰める際には50%もの水銀が含まれているのに、硬化したときには数%だなんて信じられません。もしそうなら、40数%は硬化するまでに流出または蒸発したということになり、それはそれで大変危険なことです(水銀は呼吸器から入るほうが人体へのダメージが大きい)。

アマルガムは、あくまで水銀が他の金属と合体して固体になったものなので、そこに水銀が含まれていると考えるのが妥当でしょう。


しかし、そんなものは、数年経過した患者の歯のアマルガムを採取して組成を調べれば済むことです。しかし、色々な英語版のサイトを見ても、EPA(アメリカの環境省)のサイトを見ても、水銀はあくまで50%と書かれており、硬化したアマルガムは水銀が少ないので大丈夫!とかいう記述は一切ありません。よって、やはり水銀はたくさん歯の中に残っており、年々ちょっとずつ流出しているというのが真相だと思います。





で、そんな水銀のリスクですが、水銀が有機的に脳や内蔵に蓄積されると、危険であるとされています。
頭痛、眩暈などの軽度のものから、歯茎の損傷、重度ではALSやアルツハイマー、胃炎、腎臓疾患などを引き起こします。

一応、アマルガムに入っているのは水俣病のような有機水銀ではなく、金属の水銀なので、人体への影響は限られていると言われています。水銀は、炭素系を採り込んだ有機水銀の形態が非常に危険ですが、金属のままであれば消化器からは吸収されにくいためです。ちなみに、水俣病の原因になったのも、メチル水銀を中心とした有機水銀でした。

しかし、
・体内に取り込まれたときに、消化器官の細菌が水銀を有機化する可能性
・食事や会話の際に、アマルガムから水銀蒸気が発生して吸入してしまう可能性
・口腔内の粘膜から吸収してしまう可能性

などがあり、完全にクロとは言い切れないまでも、シロとも言えません。

「水銀」という言葉に過剰反応した、センセーショナルな研究結果を報告する研究者もいます(歯科用アマルガムが口の中に多い人ほど、疾患率が上がる、等)。しかし、決定的な論拠とはなっていない、というのが、WHO等の見解のようです。

しかし、きちんと使えば歯科補修材料としては大変優れているアマルガム。
一長一短です。


基本的に、疑わしい材料だと思うので、水銀の影響を特に受けやすい発育段階の子どもには、使わないほうがいいでしょうね。(といっても、今では使っている歯科がほとんどないのですが)

レジンの耐久性を考えると、奥歯の咬合面には、使ってもいいような気も…。



こうやって考えると、本当に痛感するのです。
「虫歯が1本も無い」ということのメリットがいかに大きいかを。

余計な材料を口の中に入れなくてもいい。
痛くない。
噛み合わせも崩れない。
お金もかからない。
何より、余計なことで悩まなくていいので人生が楽しい。

健康って大事だね、と、歯がボロボロになってから、思います。

2013年6月3日月曜日

虫歯治療における保険のお話

現在の日本の虫歯施術というのは、少なくとも、保険で行われている限り、まともなものはごくわずかであろうと推測されます。

「まとも」というのは、

(1)虫歯部分を完全に除去する
(2)密封性の高い材料でフタをする(少なくとも10年はもつように)
(3)健全歯質はできるだけ削らない。神経はできるだけ抜かない。

という、この3点が実行できるだけでいいのです。
虫歯対策としては、ごくごく当然な要求だと思われます。

しかし、日本の歯医者ではこれはまず叶いません。

日本の歯科医の大半は、虫歯のみを100%きちんと削り取る、という技術が無い場合が多いと思われ、基本的に、削り残しか、または、削りすぎ、という状態になります。(削り残しがあれば、いくら詰め物をしてもそこからまた虫歯が進行します。削りすぎると歯が脆くなり、神経が近い場合には抜髄に至ることもあります)


それには、2つの理由があります。

・技術が無いのでできない
・保険での施術では赤字になるのでできない

まず1点目。
日本の多くの歯科医は、きちんと削って適切な材料で詰める、という一連の処置ができていないように思います。単純に、技術が無いからです。なぜ技術が無いかというと、完璧に仕上げた経験が無いからです。いつも適当に削って適当に詰める、あるいは簡単に抜髄してしまっているのです。特に、何でもかんでも保険適用のCR(コンポジットレジン)をくっつけて終わりにしている歯科医が多すぎます。

ではなぜ、彼らは適当なことばかりしているのか? なぜ完璧を期さないのか?

そこで2点目の理由が登場します。
日本の保険制度の下では、十分な時間と十分な材料費がかけられないから、です。

日本の保険点数というのは処置毎に決まっていて、削って2000円、詰めて3000円(あくまで仮の例)、とかいった具合です。

虫歯1本を(場所にもよりますが)きちんと削ってきちんと詰めようと思えば、1本について30分~1時間くらいは確保してほしいところです。

しかし、保険適用下ではそんなことはできません。1時間かけて数千円しか回収できないのであれば、確実に赤字です。歯科医院というのは、器具などの固定費や家賃、歯科衛生士の人件費など、かなりお金のかかる商売です。よって、保険診療だけを対象とすると、歯科医1人が1日に30人ほどを相手にしなければ損益分岐点にすら到達しないと言われています。

開業時間を10時間として、その間、休みなく患者を入れたとしても、1時間に3人を担当しなければならない計算です。1人20分です。これでは、落ち着いて虫歯など削れないでしょうから、削り残しがあっても適当に詰めてしまったり、雑に削りまくって神経まで到達してしまい、本来なら助けられたはずの歯の神経を抜いてしまったりすることになるのです。

また、材料の問題もあります。
保険適用の虫歯治療であれば、補修材料も限定されています。つまり、安い材料でしか詰めてもらえません。安い材料とは、つまり粗悪品ということで、強度が無かったり、短い年月で劣化したり、隙間ができやすい、といった材料のことです。(具体的には、パラジウムインレーやCR等)


このような事情で、日本の保険制度の下での歯科治療はかなり無茶なものになっています。
歯科医にとっても患者にとっても、メリットはありません。

それだったら、高い価格でもいいから、きちんとした施術をしてもらい、10年、20年と問題なく歯を維持できることのほうがはるかに重要ではないでしょうか。


現に、歯科医院もそれに気づいていて、最近は医院側が自由に高めの価格を設定した自由診療が主流になりつつあります。セラミックだのゴールドだの、よさそうな材料を使って詰める、と謳っているのです。虫歯以外にも、予防、審美、歯周病、インプラントなどを自由診療で幅広くやっているところも多いですね。

しかし、ここでさらに大きな問題があります。

「自由診療(保険の適用外の診療)であれば、歯科医はきちんとした治療ができるか?」

ということです。

おそらく、答えはNoでしょうね。

というのも、保険診療をしてきた歯科医には、まともに虫歯を削って詰める技術がそもそも備わっていない可能性が高いからです。

自由診療であれば、材料こそ良いものにシフトしているでしょうが、肝心の「削って詰める」という腕はへたくそなままなのです。


よって、しばらくの間、日本では、
「虫歯を削って詰めてもらったのに、またその下に虫歯ができる」
という、あほらしい二次カリエスになってしまう人が多いままだと思われます。

どんなにブラッシングを入念に行っても、詰め物の下は磨けません。
もし、虫歯の取り残しがあったり、詰め方不良で詰め物と歯の間に隙間が空いていれば、そこから虫歯は再度進行してしまいます。



私が今まで歯医者を何十件も回った経験から主観で言えば、日本の歯科医の9割以上は、へたくそです。彼らに削って詰めてもらうと、歯に何らかのトラブルを抱えます、将来。

彼らは、「削って詰めた歯は、それだけリスクがあると思ってください」「詰め物の下の虫歯は、外してみないとわからない」などと言いますが、それは無責任というべきものです。きちんと削り、きちんと詰め、定期的に検診を受けていれば、二次カリエスにならない、と保障してくれるのが正当な治療だと思います。

それができる(できそうな)信頼できる歯科医にたどり着くまで、面倒でも、歯科医をハシゴしたほうがいいと、私は思う次第です。

2013年5月25日土曜日

将来の虫歯治療は歯を自然回復させるらしい。

2011年の記事ですが、 痛くない虫歯治療法を発見=英リーズ大 というのが話題になっていたようです。 これは、あまりに大きな穴が開いている等の場合は例外として、初期の虫歯にペプチドを塗っておくことで、歯が歯冠部を自然再生しれくれるとのこと。 まだ臨床段階でしょうから、世に普及するのは5年後か10年後くらいになりそうですが、でも時代は確実に歯の治療も無痛で簡単な方向に変化しているようですね、 あともう1つ、カリソルブという虫歯菌に侵された部分だけを選択的に溶かして取り除くことができる薬もあるそうで、これは初期~中期の虫歯に対して有効とのこと。 ペプチドの方はこれからまだ臨床試験を控えているということで、いつごと実用化されるのか気になるところです。 いずれにせよ、明るい兆候と言えるでしょう。

2013年5月22日水曜日

二次カリエス

削って詰め物をした歯が、再び虫歯になることがあります。
というか、そういうケースが多いです。

これを、二次カリエス(2次的な虫歯)といいます。

具体的には、銀色のかぶせものや、レジン(プラスチック)を詰めた場所に隙間が空いて、食物残渣や唾液が年月をかけて流入し、詰め物の下が虫歯になります。

なので、人工物を詰めた部分は、できるだけ注意が必要です。
削って詰めて「治った」と思ってはいけないのです。
治ってないのです。

しかし、歯医者は二次カリエスに対してほとんど無力です。
二次カリエスがあるかどうかを的確に判断してくれる歯医者はいません。

彼らは、

「二次カリエスの判断は難しい」
「レントゲンにも映りにくい」
「かぶせものを外して削ってみないとわからない」
「一度削ってしまった歯はそれだけハンデがあると思ってください」

などと平気で言います。

ふざけんな!と思いますが、これが現実です。


というか、本来、二次カリエスができないように削って詰めるべきなのですが、彼らはそれすらできないことが多いです(つまり、きちんと削ってきちんと密封する、という虫歯対策の基本ができない)


アメリカとかヨーロッパでは、補修した歯は20年、30年と使えるのが普通だそうです(統計上)。
日本の歯医者は、ことごとく杜撰な商売だなぁと思います。
まあ、保険制度のせいもあるんですが。

2013年5月21日火曜日

下がった歯槽骨は元に戻せないけど、将来の医療技術なら・・・

歯周病等で歯槽骨が減って下がってしまった場合、それをもとに戻したいと思うのは、当事者なら誰もが願うことでしょう。しかし2013年現在の医療技術では、それはなかなか難しいことだそうです。

今現在あるものとして、エムドゲイン、GTRそしてTE-BONEというものがあります。

エムドゲインとGTRは、歯槽骨の減った幹部の歯肉を切開して、薬を塗り、骨の再生を促す、という方法です。しかし、これは水平的に歯槽骨が減ってしまった症例(つまり、ある歯について周囲の歯槽骨全体が均等に下がってしまっている場合)には使えません。また、予後のレントゲン写真を見るに、あんまり回復しているようには見えません。気休め程度ではないかと思う時もあるくらいです。

もう1つのTE-BONEというのは、患者の骨髄液と血液を採取して、そこから数か月かけて骨を培養し、できた骨(実際は、粉末状の骨)を、歯槽骨の足りない部分の歯肉を切ったところに詰めて縫合する、という方法です。骨髄液からまず骨を生成して、それを利用するわけですね。従来は、腰の骨を一部切り取って歯槽骨の欠損部に詰めるという方法もあったらしいので、原理はそれと同じですね。実際に骨そのものを歯槽骨に付加して、時間とともに結合するのを待つ、ということです。

このTE-BONE、2012年から一般に提供され始めたもので、なかなか画期的な方法に思えますが、実はあまり期待できなさそうです。というのも、開発した大阪大学の症例紹介を見ると、どうも・・・骨が目に見えて再生しているようには見えないからです。(歯槽骨がほんのちょっとだけ増えたかな?という程度)


TE-BONEの一番いただけないところは、インプラント患者を前提にしていることです。
「インプラントにしたい。けど、歯槽骨に十分な厚みが無い」
という人向けの手術なのです。
だから、インプラントを打つのに十分な厚みと長さの歯槽骨が形成されればそれでいい、という手術です。

インプラントになる前の、歯周病で歯槽骨が減ってしまった人を救う、ということを想定したものではないようです。

私はインプラントなど絶対にしたくないので(だったら入れ歯のほうがマシ)、TE-BONEは使えないなぁと思う次第です。これを、「歯周病患者が、歯を失わないように、歯槽骨を回復させる手術」だったら、申し分なかったのですけど。


以上をまとめると、現在の技術では、水平的に減った歯槽骨を、目に見えて再生させる技術は無いようだ、ということです。エムドゲインやGTRは所詮気休め程度しか回復しませんし、TE-BONEはインプラント前提なのでアテになりません。

歯周病を患っている人が、ケアによって歯周病の進行をストップさせた後、元の状態に戻したい、という時に使える歯槽骨の再生医療が、登場してほしいなぁと切に思うのですが。

今のところ、一番有望なのは、FGF-2という薬を歯槽骨に塗ると、大幅に歯槽骨が回復する、という手法です。これは今、最終臨床試験中で、2015年の一般提供開始を目指しているそうです。早くその日が来るといいなぁ・・・。 ※ただし、上記FGF-2を用いた歯槽骨再生術は、2壁または3壁の局所的な歯槽骨喪失に限定されているようです。「水平」的な歯槽骨の再生方法が開発されるまでには、まだ時間がかかりそうですね・・・。

2013年5月20日月曜日

インプラントはやめといたほうがいいかも。現時点でのベストチョイスは入れ歯か…。

2012年1月18日(水)放送のクローズアップ現代 「歯科インプラント トラブル急増の理由」 以降、インプラントの患者が一時的に激減したというニュースがあります。 私はこの放送を見ていませんが、NHKのサイトで全文が読めるので見てみたところ、現在のインプラントの問題点を如実にまとめていて秀逸だなぁと思った次第です。 

インプラントとは、虫歯や歯周病や事故で部分的に歯を失っちゃった人に対して、欠損した部分の歯槽骨に直接チタン等を土台とした人工の歯を1本単位で差し込み、歯の代わりにするものです。日本では2005年あたりから厚労省が認可を出して普及し始めました。よって、20年、30年経過したときの予後はまだ不明と思われます。 

インプラントの長所は、入れ歯よりもずっと快適に噛める(歯槽骨に直接挿しているので、歯茎の上に浮かんでいる入れ歯とは使用感が全然違う)、ということだそうです。1本だけ歯を失ったから、そこに挿したい、というのであれば他の健全歯を守るという観点からもアリかもしれません。

 短所は、まず保険外なので高い(1本30万~40万と言われています)ということがよく言われますが、これは注目すべき短所ではないです。もし安全に人工歯として機能してくれるなら、そのくらいの価値はあると思うので。 

インプラントの致命的な短所は、歯槽骨に異物を差し込んでしまうという点にあります。

口腔内は大変酷な環境です。毎日食事の際に数十キロの負荷が歯にかかり、食物残渣が滞留し、常に湿度が高く、高温で、細菌が繁殖します。だからこそ虫歯や歯周病が発生するのですが、そんなところの骨に穴をあけて人工物を挿すとなると、そこが腐敗の温床になる可能性が高いです。

顔の骨に金属棒を挿して、そこに毎日負荷をかけて、汚い残渣を蓄積させたらどうなるか…… 

おそらく、①歯槽骨が物理的ダメージを受ける、②不衛生になり、細菌によって歯肉と歯槽骨が侵される、③感染症にかかりやすくなる、等の弊害が考えられます。 現に、インプラントは「事後の衛生管理が非常に重要」だと言われています。


 それと、もっとリスキーなのは、インプラントを入れる手術が、歯科医によって行われていることです。

手術というのは、本来、外科の医師が行うべきものです。歯科医は、医師ではありません。(歯科医は、一般医学についての知見は無いに等しい)
実際は、インプラントメーカーの講習を受けただけの未経験な歯科医が、インプラント手術をしていることが多いのです。 もはやこれは無免許医師が執刀しているのと同じです。論外です。

そのせいで、患者に後遺症が残ったり、死亡したりする事例が散見されます。(クローズアップ現代参照)

 自分は、そんな危険性を考えるなら、部分入れ歯でいいかな、と思っています。 ヤブ歯科医の手で体の骨に異物を差し込まれ、それを毎日酷使する……なんて考えられません。


 多くの歯科医院は、インプラントが儲かるから打っているだけです。患者の長期的な予後やリスク、安全性のことなど考えていません。そもそも、インプラントは高度な技術とアフターケアが必要なはずなのですが、どこの歯科医院のサイトを見てもインプラント歓迎、みたいなつくりになっているのは、明らかに即席の未熟な歯科医が、金銭的な理由でインプラントを始めたからでしょう、たぶん。

2013年5月18日土曜日

虫歯になりにくい食べ物

砂糖いっぱいのチョコレートやキャラメルが歯に悪そうだというのはイメージしやすいですが、歯に気を遣う生活を始めてネットで情報を集めてみると、あらゆる糖質が何らかの形で虫歯と歯周病のファクターになっていることに気付きます。

虫歯に関して言うと、虫歯とは、人間が農耕を始めてから発生し始めたもので、米食だった弥生人の遺骨の歯にはちらほら虫歯が認められるそうです。 で、16世紀に砂糖の大量生産が始まってから、虫歯は途端に世界を席巻したのです。ちなみに、火を使わない、果物や野菜を食べる原始的な霊長類(ゴリラとか)の歯には虫歯はありません。

ので、要するに、

・穀物は虫歯を引き起こす可能性がある
・砂糖は、虫歯をものすごく引き起こす

ということです。

気になるのは、穀物のほうです。
砂糖はヒトにとっては必須食品ではなく、制限できますが、
穀物はヒトにとって重要な栄養素(デンプン)を含んでいるので、避けにくいです。

では、米の虫歯誘発性はどれくらいなんでしょうか?
あと、パンは?イモは? 果物は? といった疑問が浮上します。

 で、どの程度虫歯を起こしやすいか?の程度(=う蝕誘発性)を数値化したものがあります。
潜在脱灰能 といいます。

しかしこれが厄介な代物で、ネットを探しても食品別に数値をまとめた一覧表が出てきません。
こんなもん、厚労省あたりがちゃんとまとめてサイトに掲載しておくべきものなのに・・・。

厚労省とか、そこらの歯科医院のコラムとかを見ても、
「キャラメルやクッキーは う蝕誘発性が果物の何倍も高い」 とかあいまいなことが書かれているだけで、「情報源どこ?」「一覧表どこ?」「で、穀物の数値はいくつ?」という状態です。

欲しいのは、基本的な食品のう蝕誘発度を数値で示した一覧です。
それがあると、どういう食生活を送ればいいか、指針が立てやすいので。

で、ちょこちょこ探してたらありました。
北海道の母子健康指導マニュアルのp.49に。


出所は、
(田浦勝彦、他:だれにでもできる小さな努力で確かな効果、P20、21、砂書房、2001)
だそうです。

受け取り方は人それぞれだと思いますが、

りんご 4
米飯 138
白パン 164
バナナ 180
ビスケット 220
チョコレート 246
ポテト(いも) 307
キャラメル 394
菓子パン 434

あたりが注目点でしょうか。

個人的には、米の数値が意外に高いな~と思います(ビスケットやチョコレートの半分以上あるので)
あと、バナナと イモが非常に高いですね。これを見た以上は、主食にイモを食べるのは気が進みません。

キャラメルや菓子パンは当然でしょうね。「歯にへばりつく」+「砂糖」 という組み合わせは危険であることを示しています。砂糖入りの炭水化物(菓子パン、ドーナツ、ホットケーキ。あと、果糖という括りで言うとバナナも)はこのカテゴリーに入りやすく危険です。Wikipediaにも同じ趣旨の記述がありました。

潜在脱灰能は、調査方法や調査した人によって数値が異なるので(そりゃあそうでしょう)、これといったお墨付きのあるものが無いらしく、仕方ないのかもしれません。探せば、虫歯関係の書籍には掲載されているようです。

しかし、 こういう表があまり人目に触れないようにされているという点を見ると、この国のデンタルヘルスに関する意識の低さというか悪意をちょっと感じちゃいます。気のせいかもしれないけど。