2013年5月13日月曜日

【基本その1】 「いい歯医者」は数えるほどしかいない

よく言われることですが、日本の歯科医院の数は、コンビニの数よりもずっと多いです。

2010年のデータでは、

歯科医院数 68,384件
コンビニ 43,268件

ということで、歯科医院の数はコンビニの1.5倍もあります。



いかんせん数が多すぎるため、歯科医院の過剰問題が発生しています。


私は、歯に関して気にするようになって、虫歯と歯周病の改善のために歯科医院を回りだしてから気づいたのですが、まともな歯科医院はほとんど無いような印象を受けました。

というのも、どの歯科医もおしなべてフロントや受付は綺麗なのですが、肝心の診療については雑で、じっくり一人の患者に対して説明したり、診断したり・・・ということができていないからです。

私が都内で回った歯科医は12件でしたが、おおむね、性格的に未熟か、ヤブか、のどちらかでした。

(1) 態度が横柄で、患者を無意味に不安にさせる割に、対応策が出せない。「虫歯が多すぎます」「歯周病がかなり進行していて危険」等と苦い顔をして言うだけで、施術について積極的な話が展開されない。「じゃあどうすればいいですか」と聞くと、「それは今後じっくり考えていかなければならないけど、まずは歯磨きをしっかりしてから来てもらわないと対応できない」と言い、施術する気がゼロ。厄介な患者は帰れという雰囲気。

(2) 「なるべく削らない」を連呼するだけの、ただのヤブ。奥歯のコンタクト面が明らかに虫歯だったのに、パノラマを1枚撮影しただけで、「黒ずんでいるだけ」「コーヒーのシミが沈着しているだけ」等と言い、3か月に1回のPMTCの際にも無視。「なるべく削らないの」というのが信条らしい。ちょっと痛む、二次カリエスが心配、などというと、「なんで?そんなに削りたいの?? なら削ってみようか?!」 みたいに、急に機嫌が悪くなる。

(3) そもそも虫歯治療する技術すらまともに持っていないヤブ。「保険外でもいいから、二次カリエスにならない、または、極力なりにくい材料で、齲蝕部分を完全に除去して詰めてほしい。」と言うと、「そんなの無理」と言う。そういう人に限って、「最近は材料も格段に良くなったから」と言って、奥歯の広い窩洞にもレジンを勧めてくる。


といった例が多かったように思います。
(当然、これらの歯科医には行かなくなりました)


数少ない、良心的だなぁと思った歯医者でも、

やたらと忙しそうで、30分程度の診察の間に、1人の歯科医が3人の患者を掛け持ち、3つの治療椅子の間を行ったり来たりしていた

というケースもありました。

噂では、保険診療の患者を相手にしていると、1日に30人程度を診察しないと採算が合わないのだそうです。

そして、そんな自転車操業の歯医者では、まともな施術をしてもらえる可能性は低くなります。
虫歯を取り残したまま詰め物をしたり、健全な歯を削りすぎたり、雑な歯型をとったり、型の合わないインレーを無理矢理詰めたり、そんなことは日常茶飯だと思われます。


というわけで、自分なりに出した結論として、きちんと施術してくれる歯医者は、

・1人の患者に時間をじっくりかけてくれる (そのため、基本的に保険外診療です)
・虫歯の場合、適合性の高い材料を使ってくれる(GIセメント、金、アマルガム、ハイブリッドレジン等)。パラジウムインレーやメタルボンド、安いコンポジットレジンは使わない。
・説明がきちんとしている。「どのくらい耐久性があるか」という質問に対して、「最低10年。きちんとPMTCに来てくれれば、一生持つ可能性もある」とか言ってくれる。逆に不適切な歯医者は、「人によるから何年もつかなんてわからない」などとはぐらかす。(←これは本当、論外)


しかし、こういう歯科医は数えるほどしかありません。

まず、保険外診療ですが、ただ単に自費診療をやってればいいというものではありません。「自費」と称して、保険診療と何ら変わらない雑で短時間の施術をやっている医院や、歯科医自体がヤブな医院も多くあります。
そして、自分の行った施術について、自信を持って「これだけやれば大丈夫」と言える歯科医も少ないのです。なぜなら、ほとんどの歯科医には決定打が無く、「とりあえず対処療法をやってみて、ダメだったらごめんね」的な方法論が横行しているからです。

なので、いい歯医者は僅かであると思っておいたほうが無難です。
そのために素人ができる防衛は、「なるべく歯医者に行かない」ということです。
不適切な施術で泥沼にはまる確率が非常に高いのに、わざわざ罠にはまりに行くことはありません。

私は、歯医者に行くことのリスクを思えば、生活を多少制限してでも、歯を防衛することのほうが大事だと思えます。少なくとも日本において、歯医者に行くのは、紛争地域に行くのと同じくらい危険です。

具体的な制約としては、大幅に砂糖を控える、一切間食しない、野菜を多くとる、夜寝る前はブラッシングとフロッシングを徹底する(毎晩、歯垢染色液を使います)、フッ化ナトリウムでうがいする、等です。自分の歯を大事にするのがベストだと思います。