2014年3月13日木曜日

保険診療の限界

虫歯は本来、1本たりとも作ってはいけない。」でも書きましたが、


もし、「治療」してくれるのであれば、元のピカピカな歯に戻してくれなければなりません。
歯科医のやっているのは、せいぜい「処置」というべきもので、全然治療ではない。


・・・というわけで、歯医者で行う虫歯「治療」というのは、その実、ぜんぜん治ってません。
穴を削ってふさいで、一時的に噛む機能を回復させただけです。時間が経過すると、詰めた隙間からまた虫歯が発生します(詰め物と歯の間には必ず隙間があるため)。

これを二次虫歯(二次カリエス)といい、再発率は大変高い(80%以上)とされています。

そして、これを防ぐ術はありません。

多くの歯科医院のサイトでも、「大人になってからの虫歯はほとんどが二次カリエスです」と書かれていますが、その防御方法は書かれていません。これは、どんなに完璧に歯磨きをしても、食物残渣や細菌が詰め物の隙間を通っていってしまうからです。

進行を遅らせるには、詰められる前にも増して入念に、日々きっちりブラッシング&フロッシングして、歯垢を落としておくこと、くらいでしょう。

ただ、精度の良い詰め物をしてもらうと、10年、20年単位で耐久することがあります。(その後は詰め替え)

「精度の良い」というのは、きちんと虫歯部分を削った後、シリコンで綿密に型取りされたゴールドのインレーやクラウン、良い接着剤を使ってくっつける高品質なセラミックやレジン、といったものを使う処置のことです。

そして、このような精度の良い処置は、保険診療では到底無理です。

細部まで狂いなく虫歯を削るためには時間がかかる
型取り or 充填 にも時間がかかる
材料費が高い

といった理由から、健康保険でカバーされる歯科医院の実収入(虫歯処置1本あたり数千円~1万円) では、大赤字になってしまうからです。



YAHOO知恵袋にも、似たような質問がありました。

歯科に関していうと保険診療は「標準水準の医療」を実行できるコストを支払ってくれません。
予算がありませんので、まともな治療はできません。

保険の場合は割り切って予算内で仕事します。
かわいそうに・・・って思いながら・・・。


これが、歯科の(少なくとも虫歯処置の)保険診療の実態です。

保険診療を行っている歯科医院では、肉眼(ルーペや拡大鏡無し)で、ラバーダムせずに、虫歯検知液も使わずに歯を削り、保険でカバーされる下等なレジンやパラジウムインレーをちゃっちゃと装着して終わります。1回の処置時間は非常に短く(10分~15分)、酷いときは、歯科医が複数の患者の間を行ったり来たりしていますし、型取りやレジン充填を衛生士や助手がやることもあります。


尚、保険診療で虫歯を処理してもらうと、だいたい平均4~5年で不具合が起きるようです。(つまり二次カリエス)

保険診察のメリットは、ただひたすら、安価であることだけで、予後は最悪です。
人生が残り少ない人はいいでしょうが、まだ先が長い人は、多少お金を工面してでも、まともな保険外診察を受けたほうがいいと、今は思います。

ただ、保険診療 = 雑  ということは確実ですが、
保険外診療 = 丁寧  という図式は不確実です。 保険外を謳いながら、テキトーで不適切な処置を行う歯科医もけっこう居るからです。

だから、自由診療の歯医者選びは大事なのです。